カメルーンのLGBT裁判、弁護士2人に脅迫メール

カメルーンで、同性愛容疑で起訴された同性愛者(LGBT=性的少数者)の弁護を引き受けた弁護士2人が、携帯電話とEメールを使った脅迫を何者かから受けている。この問題を明らかにしたヒューマン・ライツ・ウォッチは10月24日、「発信者を特定するなど、カメルーン政府当局はただちに捜査しなければならない。弁護士への脅迫を公の場で明確に非難し、弁護士らの安全を守る策を実行すべき」との声明を発表した。

ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、弁護士2人は10月18日以降、子どもに危害を加えるなどと継続的に脅されてきた。また、「オカマとオカマに協力する奴らは、この国から出ていけ」「お前が(弁護)を止めないなら、分かっているだろうな」「血を見るだろう」などと書かれたメールが送り付けられたという。

同性同士の性行為を犯罪とする国は世界にいくつかあるが、カメルーンもそのひとつ。同国の刑法は、同性間の性的関係について懲役5カ月〜5年と定めている。司法省の記録によると、2011年に同性愛容疑で起訴された14人のうち、有罪判決を受けたのは12人。少なくとも4人のカメルーン人が同性愛の罪で服役中だ。

ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、多くの同性愛容疑の裁判では、容疑者に対して正当な権利が認められていない。取り調べの際に弁護士に接見できなかったり、根拠の薄い証拠を有罪のよりどころにされたりしている。コンドームと潤滑油を所持するだけで、また容疑者の好みのアルコール飲料を答えるだけで同性愛の「証拠」とされたケースも実際にあったという。

カメルーン社会にはいまも同性愛嫌悪の風潮が残っているが、政府の政策がそれをあおっているのが実情だ。同性愛裁判を引き受けた弁護士らはメディアで激しく非難され、弁護士自身の性的指向にまで疑問が投げかけられるというのが日常となっている。(堤環作)