北朝鮮が観光業に本腰、訪問者は2020年までに200万人突破か

中国の農村。古き良き中国は北朝鮮に残っているのだろうか中国の農村。古き良き中国は北朝鮮に残っているのだろうか

中国と国境を接する北朝鮮の新義州鴨緑江岸に「観光地区」がオープンした。北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)が22日、伝えた。観光地区には近代的な総合サービス施設があるという。中国の旅行会社と提携して観光業を発展させたいという狙いがある。

北朝鮮を訪れる中国人は近年増加している。韓国のシンクタンク韓国海洋科学技術院(KIOST)によれば、2015年に北朝鮮を訪問した観光客は約10万人。そのほとんどが中国人だ。観光客数はこの10年で2~3倍に増えた。また、北朝鮮の経済学者、キム・サンハック氏はAP通信に対し「観光客数は2017年までに今の10倍になり、2020年までに200万人を突破するだろう」と語った。

中国人向けの一般的なツアーは、新義州のほか、平壌、開城、板門店などを4日で回る。価格は日本円にして5万円程度。欧米人向けの料金が平均30万円程度であることを考えると、6分の1と格安だ。旅行はツアー限定で、個人旅行は許可されない。

北朝鮮にとってみると観光業は外貨獲得の大きな手段のひとつ。中国のポータルサイト「新浪網」によれば、北朝鮮は2014年、観光業で3000万~4000万ドル(36億~48億円)の外貨を獲得した。中国からの輸入に頼る北朝鮮にとって、中国人観光客の落とす外貨は貴重だ。一方で、中国人にとって北朝鮮旅行は、昔の中国を体験できる「懐古ツアー」となっており、人気を集めている。