“フェイスブック交際”が主流、ミャンマー人女性の結婚観

カップル1相手の好きなところを照れながらも話すミャンマー人女性

「イケメン貧乏」「フェイスブック」「エスニシティ(民族性)」。ミャンマー・ヤンゴンのカップル(女性側)に公園で街頭インタビューしたところ、この3つが、ミャンマー人女性の結婚・恋愛観を表すトレンドキーワードとして浮かび上がってきた。

■ブサイク富豪<イケメン貧乏

ミャンマー人女性が結婚相手に選びたいのは“ブサイクなお金持ち”か“イケメンの貧乏”か。ヤンゴンで20人の道行くミャンマー人女性に、その2種類の男性しか世界にいないとしたら、と選択をしてもらった結果、16対4で貧乏イケメンに軍配が上がった。

家族でビジネスを営むイーイーカイさん(28)は「お金持ちかどうかは結婚において重要ではないわ」と語る。また、女子大生のプートゥさん(18)は「顔がかっこよければ何があっても彼を愛せるわ」と言った。さらに、医大に通う女子大生や、仕事をしている女性たちはみんな、結婚後も働く意思を持っていると答え、「お金は私も稼ぐから…、ハンサムがいいわ」と答えた。現代のミャンマーの女性たちは理想の男性像として経済力よりも「ルックス」を重視する傾向があるようだ。

■デート初日が“記念日”

インタビューに答えてくれたカップルの多くは交際期間が短かった。1カ月や2週間、2日というカップルも。それらのカップルは共通して、フェイスブックが出会いのきっかけであり、あっというまに交際に至る。

女子大生のナンカンムァンさん(18)は、現在の交際相手との馴れ初めについて、フェイスブックの「知り合いかも」のおすすめに出てきたナンさんの写真を見た彼が一目ぼれをしてメッセージを送った。その後、毎日密に連絡を取り合って互いのことを短期間で知り、初めてのデートで交際に発展したという。フェイスブックは現在のミャンマーの若い男女にとって効率のよい恋愛活動のツールとして機能し始めている。

■「同じ民族じゃなきゃイヤ」

フェイスブックを通して早いペースで進む恋愛がはやっているようだが、その中でもキーワードとなるのが「エスニシティ」だ。女性20人中18人が結婚相手の民族を気にすると言った。

ションレイウィンさん(24)は「同じ民族でなければ結婚する2人は分かり合えない。民族の違いによるトラブルが起こることは目に見えている」と語った。エイスンモンさん(18)は「同じ民族でなければ嫌だ」とまで断言した。また、リス族(カチン族の一種)であるプートゥさん(18)は、「自分自身がマイノリティであるからとても気にする。同じ民族の人となら互いを理解しあえる」と言った。

エスニシティはミャンマー人の恋愛に重要な1つの条件であり続けているようだ。フェイスブックのメッセージを始めるとき、「こんにちは」の後すぐに続くのは「あなたはどこの民族?」。

理想の異性を探すために、ルックスを確認でき、手始めに民族を確認して気軽に互いを知りあうことができるフェイスブック。現代のミャンマーの若者にとって、フェイスブックは恋愛のマストアイテムのようだ。

インタビューに応じたミャンマー人カップル

インタビューに応じたミャンマー人カップル