資源収入の20%を教育予算に回すと「途上国の通学率は2倍に!」、UNESCOがレポート

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豊富な天然資源をもつ途上国は、その収入を適正に管理し、教育部門に予算として回せば、子どもの通学率を2倍近く引き上げられる。国連教育科学文化機関(UNESCO)は5月6日、こうした骨子のレポートを発表した。

このレポートの調査対象となったのは、アフガニスタン、アンゴラ、ブルキナファソ、チャド、カメルーン、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、コンゴ共和国、ガーナ、ギニア、ラオス、マラウイ、ニジェール、パプアニューギニア、シエラレオネ、タンザニア、ウガンダ、ザンビアの17カ国。

レポートによると、この17カ国は毎年、合計で50億ドル(約4900億円)を教育予算として増やすことが可能だという。これは17カ国が2010年に、ドナー(援助国・機関)から受けた教育援助額の2.5倍に当たる。

ウガンダを例にとると、近年の石油の発見を受け、政府予算は2016年には2倍に拡大する見通し。これにあわせて教育予算も倍増すれば、すべての子どもを小中学校に通わせることができる。

コンゴ民主共和国では、鉱物資源から得る収入の9割が採掘会社に入り、政府が手にできるのは1割以下。この比率を変えれば、国会予算を充実でき、教育への投資も多くなる。

UNESCOのイリナ・ボコバ事務局長は「資源収入を教育ではなく、武力紛争に振り向ける国もある。資源収入の20%を教育に充てれば、17カ国のうち10カ国で、すべての子どもに初等教育を受けさせることが可能になる」と話す。