2016-07-19

日本式医療などの途上国普及をJICAが支援、メキシコのAEDなど12件を採択

国際協力機構(JICA)は、「開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業」の2015年度第2回、通算第6回となる公募を行い、今般、採択案件として12件を選定いたしました。(別表:採択案件一覧参照

本制度は、2013年度に開始した公募型事業であり、開発途上国の政府関係者を主な対象とした日本での研修や現地でのセミナー、実証活動等を通じて、日本の民間企業等が持つ優れた製品、技術、システム等への理解を促し、開発課題解決への活用可能性の検討を行うものです。今回は一般枠10件に加え、2014年度に続き、2015年度補正予算による健康・医療特別枠2件を設定し、医療サービス、機器・システムを組み合わせた展開を支援することで、「日本式医療」による保健医療分野での開発途上国への貢献を推進します。

今回採択した案件は、対象地域は、東南アジア、アフリカ、中米、中央アジアと広範に亘り、第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)を控え、特にアフリカを対象とする案件が増加した点、対象分野も多岐に亘る点に特徴があります。

製品やシステムだけでなく、広く日本で培った効率性や即応性等に秀でた運用ノウハウの普及を行う提案(ケニア・港湾運営効率化(別表No.10、以下同じ)、タイ・電子記録債権サービス(No.4)、インドネシア・森林火災監視システム(No.2))、イノベーティブなアプローチにより開発課題の解決を目指す提案(ザンビア・小型無人機(No.12)、インドネシア・大気浄化(No.1))、自治体のノウハウを組み合わせた提案(フィリピン・廃棄物処理(No.3))などが含まれます。

健康・医療特別枠の採択案件を含め、保健医療分野では、感染症対策に取組む提案(ガーナ・マラリア輸血感染対策(No.9))、医師と連携し日本の経験を活かす提案(メキシコ・AED(No.8)、肥満解消(No.7))、これまでのODA事業により支援した政府機関(医療技術学校・保健省)を対象とし、医師や大学と連携することで技術の定着を図る提案(カンボジア・X線デジタル機器(No.5))など、持続的で広がりのある「日本式医療」の普及が期待されます。

日本政府が掲げる「日本再興戦略」、「インフラシステム輸出戦略」等の政策では、先進的で高い競争力を持つ「日本方式」の普及が重要課題として位置づけられています。本制度は開発途上国の課題解決と、「日本方式」の普及の両立を目指し、民間企業のビジネス展開を後押しする事業です。今後もJICAは、開発途上国の政府や日本の民間企業等と連携を深め、この取組みを積極的に展開していきます。また、これまで採択した案件を基に、教訓の抽出、グッドプラクティスの紹介などを通じて、民間企業の技術・ノウハウのより効果的な活用を図っていきます。

なお、次回(第7回)の公募は、今年9月を予定しています。

プレスリリース:http://www.jica.go.jp/press/2016/20160719_01.html