2017-12-15

南スーダンで紛争が勃発して4年、「このままだと13人に1人しか小学校を卒業できない」とユニセフ

南スーダンは悲劇の真っただ中にあり、子どもの半数が、栄養不良、病気、強制的な徴兵・徴用、暴力、そして学習の機会の喪失の被害に遭うなどの影響を受けていると、ユニセフ(国連児童基金)は本日発表した報告書の中で述べました。

子どもたちの悲惨な状況

報告書「攻撃を受ける子ども時代(原題:Childhood under Attack)」は、何年にもわたる治安悪化と動乱は、「子どもたちに信じがたいほどの影響を与え」一つの世代全体を脅かしている、と指摘しています。

子どもたちの悲惨な状況は数字が語っています。

・300万人近くの子どもが深刻な食糧不安の状態にある

・100万人以上が急性栄養不良に陥っている

・240万人が家を後にすることを余儀なくされた

・200万人の子どもが学校に通っていない。現状が続けば、わずか13人に1人しか初等教育を終了できなくなると思われる

・推定90万人の子どもが心理的な苦痛を抱えている

・1万9,000人以上の子どもが武装勢力や武装グループに徴用・徴兵された

・2013年12月に紛争が勃発してから、2,300人以上の子どもが死傷し、何百もの子どもに対する強姦や性的暴力の事例が報告された

「ひとりの子どもも、このような恐怖や搾取を経験することがあってはならないのです」とユニセフ・東部・南部 アフリカ地域事務所代表のレイラ・パカラは述べました。「しかし、南スーダンの子どもは毎日のように直面しています。南スーダンの子どもたちは、喫緊に平和で保護される環境を必要としています。それがなければ、子どもや女性たちは、より大きな甚大なる権利侵害や虐待のリスクに晒されることになります。

多くの治安の悪い地域では、人々が必要とする支援を届けることが困難な状態が続いています。南スーダンで活動する人道支援団体は、緊急に必要としている人々に対する支援を無制限で行えるよう求める、最近発令された大統領令の完全な履行を待ち望んでいます。

紛争勃発から4年

ユニセフは、2013年12月に危機が発生して以来、南スーダン全土の子どもたちに、命を守る支援を届けてきました。その中には、重度の栄養不良に陥った子ども60万人以上に対する治療、子ども330万人以上に対するはしかの予防接種、子ども360万人以上に対するプライマリー・ヘルスケアサービスの提供、および180万人に対する安全な水へのアクセスの支援が含まれます。これらの支援は、支援従事者にとって世界で最も危険な国のひとつとされる国で、巨大な困難に直面しつつ実施されてきました。2013年に紛争が勃発してから、95人の支援従事者が殺され、今年はこれまでに25人が殺害されました。

報告書「攻撃を受ける子ども時代(原題:Childhood under Attack)」の発表に際し、ユニセフは子どもと女性に重要な支援を提供するためには、新たな資金が必要であると警鐘を鳴らしています。ユニセフは2018年の支援活動に1億8,300万米ドルを必要としているものの、現時点では77%(1億4,100万米ドル)が不足しています。

プレスリリース:https://www.unicef.or.jp/news/2017/0273.html