「外食」が貧困を悪化させる、アフリカ経済会議で専門家が指摘

アフリカの人たちは、不衛生な飲食店で、サルモネラ菌などに汚染された食べ物を無意識に摂取し、腸チフスや食中毒などの病気にかかっている。しばらく働けなくなると収入が絶たれ、家庭はさらなる貧困に直面する。

「外食と貧困の関係」をこう指摘するのは、コートジボアールにあるナンギ・アブログア大学の経済・食品衛生学者、ローズ・コフィ・ネブリ氏だ。同氏は、ルワンダ・キガリで10月に開催された第7回アフリカ経済会議(EAC、主催:アフリカ開発銀行など)の貧困削減セッションで、社会・経済的に「食品衛生」がアフリカの開発にどんな影響を及ぼすかについて研究発表した。

都市には病院もたくさんあり、医療アクセスも問題ない。だが農村や漁村で暮らす人にとってみれば、不衛生な食べ物の摂取は大きなリスクを伴う。実際に、家族の稼ぎ手が外食をして食中毒などに感染し、一時的に収入を失い、さらなる貧困に陥るケースは少なくないという。

ネブリ氏は「家庭での食事は、ある程度、自分で食品衛生に気を付けられる。だが外食は違う。食品が媒介する感染症を防ぐため、アフリカ各国の政府は、外食産業に携わる人を対象に食品衛生について指導し、手洗いを習慣付けさせるなど、きちんとした対策をとるべきだ」と主張する。

食品衛生が社会・経済的に与える悪影響については、国連も、経済の生産性を下げる大きな要因のひとつ、などと問題視している。

世界保健機関(WHO)と食糧農業機関(FAO)は、共同で作成した報告書のなかで、食品が媒介する感染症が広がる要因として「食品管理に必要な冷蔵庫などが不足していること」、「食品衛生の知識を政府機関がもっていないこと」、「食品衛生の専門家や指導者がいないこと」の3点を挙げる。WHOに加盟するアフリカ53カ国中、食品衛生の指導について定める法律を整備している国はわずかだという。

報告書はさらに、外食によって貧困が悪化しないためには「消費者自身に食品衛生の知識を普及させる活動が欠かせない。ドナー(援助国・機関)は食料を支援しても、衛生管理の指導まではしてくれない」と指摘している。(今井ゆき)