シリアの子どもたちが栄養不良の危機、セーブ・ザ・チルドレンが警告

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国際NGOセーブ・ザ・チルドレンは9月24日、シリアの子どもたちが栄養不良の危機に瀕していると警告する報告書「戦火の中で飢える子どもたち-シリア紛争で拡大する危機」を発表した。2年半以上に及ぶ紛争で、食料へのアクセスは悪化し、食料価格は急騰。食料生産システムも崩壊している。紛争が始まって以降、700万人近い住民が貧困状態に陥った、と国連は推定する。

報告書によると、シリア国内では400万人以上(うち半数は子ども)の人が十分な食べ物を生産、または買うことができない状態だ。首都ダマスカスの郊外ではすでに、20人の子どもに1人の割合で深刻な栄養不足に陥っていると伝えられる。

レンズ豆とパン以外に食べられない日が続いた難民の子どもたちは少なくない。また爆撃で地下に閉じ込められたある家族は4日間、1人パン半分のみで過ごしたとの証言もある。このほか、次のような母親の嘆きもセーブ・ザ・チルドレンは集めた。

「食べ物がなく、いつも空腹という状態が2カ月続いたため、避難することに決めた。シリアにとどまっていては餓死すると思った」

「私の村では食べ物の価格が倍になり、食べることができなくなった。牛乳、パン、すべてが倍。子どもたちは常にお腹を空かせていた。栄養が足りずに病気になった」

「食べ物が足りないせいで、私の子どもたちは十分に成長できていない。体重も減っている。私たちができるのは、生き延びさせることだけ」

セーブ・ザ・チルドレンのロジャー・ハーン中東地域ディレクターは「国際社会はシリアの子どもたちが撃たれ、爆撃を受け、恐怖でトラウマを抱えているのを傍観してきただけ。この紛争ですでに何千人もの子どもが亡くなったが、いまや生き延びる手段さえ脅かされている」と声を大にした。