ミャンマーのマイクロファイナンス機関は「公務員」を優遇?

0925岡本さん、P1030588アウン・チョー・サービスのオフィス兼経営者の住宅(ヤンゴン)

マイクロファイナンス(零細金融)の世界でも公務員専用のローン商品が存在する。

ヤンゴン市の東側、サウスダゴンにあるマイクロファイナンス機関「アウン・チョー・サービス」の公務員専用ローンは、最大で20万チャット(約2万円)の10カ月返済が可能だ。公務員以外は、7万~9万チャット(7000~9000円)の2カ月返済ローンしか組むことができない。利率こそ1カ月2.5%と変わらないものの、融資額と返済期間が異なる。

同機関の現在の顧客数は1500人程度。うち公務員は3分の1に当たる500人程度だという。経営者は「公務員は、(融資した)お金を家の購入費の一部や子どもの教育費などに使っている。金(ゴールド)へ投資する人もいる」と語る。ミャンマーの公務員の平均的な給料は月額で十数万チャット(1万数千円)と決して高くはないが、安定性は折り紙付きだ。

アウン・チョー・サービスのオフィスでは、公務員のIDカードのコピーが束として綴られていた。融資希望者が公務員かどうかは、IDを確認すれば済むので「とても簡単」(経営者)という。

日当暮らしの貧困層がまだまだ少なくないミャンマー社会。返済が滞らない公務員はいわば優良顧客。経営者も「公務員はおいしい顧客だ」と認める。