2021-05-25

6/12 【コンポストで国際協力】ウユニで家庭ごみを堆肥に変える! ~南米ボリビアで活動するフリーランスのコンポストアドバイザーの講演会~

 

南米ボリビアのウユニ塩湖といえば、多くの日本人にとって「憧れの行き先」のひとつ。湖面に薄く張った水を鏡にして撮った「フォトジェニックな光景」が頭から離れず、コロナが収束したら行きたい!とウズウズしている人も少なくないと想像します。

でもご存じですか? ウユニ塩湖を擁するウユニ市がいま、深刻な環境汚染に悩まされていることを。ごみ捨て場(最終処分場)に集めたごみが、太陽や雨で風化し、風で飛んで、幹線道路の近くまで散らばっていることを。

そんなウユニを何とかしようと立ち上がったのが、国際協力機構(JICA)の援助のもと廃棄物研修を日本で受講したボリビア人たちです。その名も「ECO TOMODACHI」。2017年度からボリビア各地で、ごみの3R(リデュース、リユース、リサイクル)を普及させるプロジェクトを実施してきましたが、2020年度の活動場所として選んだのがウユニだったのです!

活動の名前は「持続的なウユニプロジェクト」。コンポスト(堆肥)やバイオ無水トイレを普及させるための研修をウユニ市で実施しました。

このプロジェクトに、「家庭用コンポスト」の講師としてかかわった日本人が、今回の講演会に登壇する城井香里さんです。

城井さんは、ボリビア各地を飛び回るフリーランスのコンポストアドバイザー。青年海外協力隊(ボリビア、環境教育)のOGでもあります。

城井さんは言います。

「ウユニの美しい自然を守れるかどうかは、政策にかかっているのではありません。ごみを出す私たち一人ひとりの責任にかかっています!」

コンポストアドバイザーとして城井さんが目指すのは、台所から出る生ごみを各家庭でコンポストにし、それを庭の木や植物に使うサイクルを作ること。2020年度の1年間で延べ106人のウユニ市民に、高倉式コンポストの発酵液を作る実習などをしました。

城井さんによると、ボリビアには「地球の権利の法律」という珍しい法律があるそうです。そこには、地球で生きる人間として原点を考えさせられる下の一文が入っています。

「地球には、生き物、生物多様性、水、きれいな大気をもつ権利がある。人間はそれを尊重し、自然と調和しなければならない」

さあ、皆さん、城井さんのお話を生で聞いてみませんか?

城井さんのお話のポイントをちょっとだけ下でご紹介します。大きく3つに分類できます。

①持続的なウユニプロジェクトのひとつである「家庭用コンポスト」について

・ウユニで手に入る生ごみは卵の殻が多い?!

・家庭用コンポストをウユニで作る際に採用したやり方は、日本の「高倉式」。特徴は、あらかじめ種菌を作っておくこと。ボリビアで手に入るキヌア(穀物の一種)のかす、塩、砂糖などを材料として使った。

・ウユニでのコンポスト作りで難しかったこと、工夫したこととは? 温度、湿度、栄養の条件をどう揃え、微生物を活性化させたのか。

・作ったコンポストの使い道いろいろ。

・実習をして終わりではなく、フォローアップも抜かりない。通信アプリ「WhatsApp」(日本のLINEに相当)を使って、コンポストを作っているところの写真を送ってもらい、テキストでアドバイスする。

②ウユニをはじめボリビアのごみの状況

・ボリビアの廃棄物のおよそ6割は生ごみ。生ごみを家庭でコンポストにすれば、廃棄物の量が減る。

・ウユニ市民は、交差点の真ん中に設置されたごみ収集所にごみを捨てる。ウユニ市役所がごみを回収する前に、野良犬が荒らし、路上がごみだらけになることも。

・ウユニの最終処分場では、ごみを焼却せずに、そのまま埋める。廃棄物の半分以上を占める生ごみが腐って、周囲に悪臭をまき散らす。地下水を汚染する問題も。またメタンガスが出るため地球温暖化への悪影響もある。

・地中で分解されないペットボトルなどがかさばると、最終処分場はすぐに一杯となる。分別をしてごみを減らすことは急務。

・観光客の増加を背景に、ウユニの人口はここ9年で3万人から4万人に増えた(ちなみにウユニを訪れる観光客は年間25万人)。廃棄物行政のキャパシティがそれに追いつかない。

・ボリビアの1人当たりのごみ排出量は490グラム(2016年)。日本(925グラム)のおよそ半分。一見すると少なそうだが、ボリビアの人口は急増中(1986年631万人⇒2016年1103万人)。ごみの増加は止まらない。

③フリーランスで国際協力する城井さんの生き方

・フリーランスのコンポストアドバイザーとしてボリビア各地で講習を開いてきた。一番の楽しみは、その土地ならではのコンポストの材料を見つけ出すこと。

・コンポストの材料を探すために、その土地を散歩したり、住民にインタビューしたりする。

・ワインの産地でコンポストの講習をしたときは、発酵液として、参加者が持ってきた自家製のワインやヨーグルトを使ったこともある。

・フリーランスのコンポストアドバイザーとしてこれまでに、ウユニのほか、アマゾン地方のベニ県や、標高が4000メートル以上(富士山より高い)のポトシ県、アンデス地方のプカラニ村(チチカカ湖の近く)などで講習を開いてきた。

「コンポスト×国際協力」「フリーランスのコンポストアドバイザー」「ボリビア・ウユニのごみ問題」に興味がある方には、とくにおススメの講演会です。オンライン(Zoom)で開催しますので、世界中のどこからでもご参加できます。

*このイベントは、ganasが現在開講中の「グローバルライター講座」のアクティビティのひとつである「模擬記者会見」です。今回は特別に、受講者以外の方にも公開します。オブザーバーとしての参加となるため、質問はできません。ご容赦ください。

【登壇者】

城井香里さん(フリーランスのコンポストアドバイザー)
ボリビアとかかわって7年。いまはボリビアから日本に一時帰国中。福岡で地方公務員だった2014年(38歳のとき)、休職して青年海外協力隊に参加。ボリビア東部のサンタクルス県で環境教育を2年間する。その後、退職。現在はフリーランスのコンポスト(堆肥)アドバイザーのほか、日本語オンライン教師タイ古式マッサージセラピストと“3足の草鞋”を履く。YouTubeチャンネル「ボリビアのきーちゃん」も好評。

ボリビアが大好きな城井さんに、その理由を聞いてみました。下のメッセージを寄せてくれました!

「ここは田舎だから何もない、とボリビア人は言うけれど、毎日、庭から満天の星が見えます。1分おきに流れる流れ星をずっと見ていたことも。

掃除は、ほうきとちり取りだけを使えばいい。洗濯は、ラジオを聴きながら手洗いで。空調は自然の温度。そんなシンプルな生活が私には心地良いのです。

ボリビアでは、自分のキャリアや人間関係が真っ白の状態から活動を始めました。たくさんのボリビア人と知り合い、成果も上がってきました。コンポストの作り方を学んだ人たち、ごみのポイ捨てはいけないと学んでくれた子どもたちがほんのちょっとずつ変わっていく姿が、私に元気を与えてくれます」

【日時】

2021年6月12日(土)20時~22時30分

<タイムライン(予定)>
19:50 開場
20:00 開始
20:10 「ボリビア・ウユニで国際協力! コンポストで、台所から世界をちょっと変えていく」(フリーランスのコンポストアドバイザー 城井香里さん)
21:00 質疑応答
*申し訳ございませんが、オブザーバー参加の方は質問できません。
22:30 終了

【こんな方におススメ】

・ボリビア・ウユニの環境問題に興味がある!
・ボリビアのごみ事情を知りたい!
・「コンポスト×国際協力」に関心がある!
・フリーランスのコンポストアドバイザーとはどんな仕事なのかを知りたい!
・フリーランスとして国際協力の分野で将来働きたい!
・青年海外協力隊(JICA海外協力隊)を終えた後のキャリアに興味がある!
・JICA海外協力隊にいつか参加したい!
・南米ボリビアに関心がある!

【会場】

オンライン(Zoomを使います)

*当日の1時間前までに、ZoomのURLをPeatixのアカウントにお送りします。

【定員】

70人(先着順)

*定員に達した時点で締め切らせていただきます。
*お早目の申し込みが確実です。

【参加費】

・社会人 1000円(税込み)
・学生 500円(税込み)
ganasサポーターズクラブのパートナー/サポーター:無料

*オブザーバーとしての参加になりますので、質問はご遠慮ください(グローバルライター講座の受講者は記事を書きますので、そのために必要な「質問をすること」を優先します)。
*キャンセルされても参加費は返金できません。ご了承ください。
*収益は100%、ボリビアのごみ問題に取り組むコンポストアドバイザー城井香里さんの活動資金となります。
ganasサポーターズクラブにまだ入っていらっしゃらない方はこの機会にどうぞ。ganasの活動を単にサポートしていただくだけでなく、さまざまな特典(お得に学べたり、途上国に関心がある人同士で交流も)もご用意しております。入り方は紹介ページの下のほうに書いてあります。

【申し込み方法】

下のPeatixのページからお申し込みください。お申し込みはご入金をもって完了します。定員に達した時点で締め切らせていただきます。
https://20210525ganas-evnet.peatix.com/view  

【主催】

特定非営利活動法人開発メディア(ganasの運営団体)

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