2015-09-26

「動く→動かす」などNGO、「2030アジェンダ」採択に際しての市民社会・ビジネスセクター 共同声明

9月25日、米国・ニューヨークで開催されている「国連ポスト2015採択サミット」において、「持続可能 な開発目標」(SDGs)を含む「私たちの世界の変革:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が国連加 盟国によって採択されました。2030年までにあらゆる形態の貧困をなくすことを目指し、持続可能な社会への移行を宣言する国際合意です。私たち、貧困の解消と公正な開発・発展を目指して活動する200団体以上が 参加する国際協力NGOネットワーク(JANIC、動く→動かす)と、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野に10の原則を掲げ、ビジネスにおける社会課題の解決に取り組む200社以上の企業・団体が参加するグローバ ル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンは、SDGsの採択に際し、以下の共同声明を発表します。

1、「持続可能な世界への変革」に向けた政治的意思の発揮

「2030年アジェンダ」は、国連加盟国すべてが賛同し採択した、人類史上かつてない目標です。この目標は、世界全体を「持続可能な世界」へと転換させることを明記しており、その実現には、私たち自身の生 活・行動様式や経済活動、政治・経済・社会の諸制度の変革が不可欠です。日本を含む国連加盟国は、政府、ビジネスセクター、市民セクターの垣根を超えて、全力で取り組む必要があります。特に、日本の国際協力NGOにとっては、ミレニアム開発目標(MDGs)からSDGsへの転換点がこれまでの国内外での取り組みをさらに強化していく契機となります。日本企業にとっては、SDGsへの取り組みは、新たな価値を生み出す未知のグローバル・マーケットへのドアを開ける鍵として、社会的課題の解決に参加するビジネスチャン スとなる可能性があります。

2、「最後の人を最初に」というアプローチで「誰も取り残さない」世界を

「誰一人取り残さない」(Leave No One Behind)という標語は、「2030年アジェンダ」を策定する過程 において繰り返し言及され、日本政府も「人間の安全保障」および「人間中心のアジェンダ」とともに強調してきました。「2030年アジェンダ」が目標とする「誰一人取り残さない」世界においては、すべての目標とターゲットが、あらゆる国家と人々、あらゆる社会階層において達成される必要があります。そのためには、「最後の人を最初に」(Put the last first)というアプローチ、つまり、これまで開発から最も遠くに取り残され、脆弱な立場に置かれた人々を最優先し、現存する不平等や格差の是正に最大限取り組むことが不可欠です。

3、「2030年アジェンダ」の国内実施体制の早期整備をマルチステークホルダーで

「2030年アジェンダ」は、途上国のみならず、日本を含む先進国も対象になります。その観点からも、「2030年アジェンダ」の国内実施体制を早急に整備する必要があります。その際には、日本政府のリーダーシップの下、関連省庁や地方自治体などの各分野・各地域における主要な関係者とともに、市民社会・ビジネスセクターなどとの連携や協働を入れ込み、実施計画はもちろん、国内指標の設定、モニタリングと評価の枠組み策定の過程において、脆弱な立場に置かれた層を含むすべての人々がステークホルダーとして参加できるように担保することが不可欠です。産民による強力な「2030年アジェンダ」の推進は、官学を含めたすべてのステークホルダーの積極的関与を後押しし、社会全体で現状把握、実施、モニタリングと評価、それを踏まえた改善のサイクルを進めていくことにより、持続可能な社会の実現を目指します。

プレスリリース:http://www.ugokuugokasu.jp/pdf/statement_150926_EN.pdf