2022-04-22

「アフリカの角」で1000万人の子どもに干ばつの影響、ユニセフが警鐘

ユニセフ(国際児童基金)は、「アフリカの角」と呼ばれるアフリカ大陸東部地域で、急激な飢餓や栄養不良、水不足など深刻な干ばつの影響を受けている子どもの数が、2月から4月の2ヶ月間で40%以上、725万人から1,000万人以上にまで増加していると警鐘を鳴らしています。

子どもたちに迫る飢饉

ユニセフは、地域全体で高まるニーズを反映し、緊急支援の要請額を1億1,900万米ドルから約2億5,000万米ドルに上方修正しましたが、必要な資金のわずか20%しか確保できていません。

エチオピア、ケニア、ソマリア全体で170万人以上の子どもが、重度の急性栄養不良となっており、緊急の治療を必要としています。今後数週間、雨が降らなければ、この数字は200万人にまで増加する見込みです。

ユニセフ・東部・南部アフリカ地域事務所代表のモハメド・マリック・フォールは、「今行動しなければ、数週間のうちに、亡くなる子どもが急増してしまいます。飢饉はすぐそこまで来ています」と述べました。

過去40年で最悪の干ばつ

この干ばつは、「アフリカの角」では過去40年間で最悪のもので、地域全体が気候危機に見舞われています。乾季が3シーズン連続して到来したことで、何十万人もの人々が家を追われ、多くの家畜や作物が失われ、栄養不良は深刻化し、かつ、病気のリスクが高まっています。ソマリアで、仮に、雨季が来ないまま4シーズン目に入ってしまい、食料価格が高騰し続け、かつ、人道支援が強化されない場合には、6月末までに8万1,000人以上が飢饉状態に陥る可能性があります。

「アフリカの角」全域で、この2ヶ月間に、

・清潔で安全な水にアクセスできない世帯数が、560万世帯から1,050万世帯となり、ほぼ倍増しました。

・食料不安に分類される人々の数が、900万人から1,600万人に増加しました。

・学校に通っていない子どもの数は1,500万人であり、驚くほど高い水準になっています。また、数千の学校ではすでに水へのアクセスが途絶えており、さらに110万人の子どもが中途退学する可能性があります。

ユニセフによる人道支援活動

ユニセフは地域全体において、重度の急性栄養不良の治療、清潔な水や保健サービスの提供など、人道支援活動を行っています。また、ユニセフはパートナーと連携しつつ、家計を支えるための現金給付支援などを行い、子どもたちを教育環境に置くことで、虐待や搾取から保護しています。

「子どもの命を守るために、そして子ども時代を守るために、私たちは今行動する必要があります。子どもたちは住む家を失い、教育を受けられなくなり、さらに、危害から守られて育つ権利も失いつつあります。世界は今彼らに目を向けるべきなのです」(フォール)

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