今年開催されるワールドカップはサッカーだけではない。8月30日から9月14日まで、バスケットボールの世界大会がスペインで開かれ、アフリカやアジアの国々など24か国が出場。サッカーとは異なる顔ぶれで熱い戦いが繰り広げられる。
バスケットボールは、競技人口が4億5千万人(FIBA2007年調査)。サッカーの2億7千万人(FIFA2006年調査)を大きく上回っている。ボールとゴールがあれば競技できるため、途上国のスラム街などでもよくプレイされている。
今年で第17回目となる同大会へは、国際バスケットボール連盟(FIBA)ランキング1位のアメリカをはじめ、ブラジルやアルゼンチンのほか、アンゴラやフィリピンなどあまり馴染みのない国も出場する。競技種目が変われば、世界の強豪国も変わってくるというわけだ。
アンゴラは、FIBAランキング15位でアフリカ大陸トップ。アフリカ選手権では11回優勝している。フィリピンは2013年のアジア選手権で2位の成績を収め、ワールドカップ出場を決めた。サッカーランキングでは、アンゴラは93位、フィリピンは129位(国際サッカー連盟(FIFA)6月5日付)と競技間で実力に大きな開きがあるのがわかる。
日本へのバスケットボール留学生が多いセネガルも、今大会に出場する。
世界で最も新しい独立国、南スーダンも2011年にはFIBAに加盟した。南スーダンは今回のワールドカップには出場しないが、これまで国際的なバスケットボール選手を輩出してきている。
例えば、身長213センチの故マヌート・ボル選手。北米のプロリーグ、ナショナル・バスケットボール・アソシーエーション(NBA)でプレイし、史上最も背の高い選手として活躍した。NBAのクリーブランド・キャバリアーズで活躍するルオル・デン選手も南スーダンの出身だ。
南スーダンのナショナルチーム初の公開練習の際に、選手の1人は「北のスーダンとスポーツで対戦する日を心待ちにしている」と話している。(西森佳奈)