1990年以降にトイレを使えるようになったのは世界で20億人、UNICEFとWHOが報告書

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国連児童基金(UNICEF)と世界保健機関(WHO)はこのほど、1990年以降で20億人が「改善された衛生設備」(トイレ)を、23億人が「改善された水源」(汚染から守る構造を備える水源・給水設備)を利用できるようになったとする年次報告書「衛生施設と飲料水の前進:2014」を発表した。農村と都市の“トイレ・水の格差”については「縮小しつつある」と強調した。

報告書のハイライトは下のとおり。

■25億人がトイレを依然利用できず

・2012年末までに、世界の人口の64%が改善されたトイレを使えるようになった。90年比で15%増

・改善されたトイレを利用できる割合は1990年当時、都市部で76%、農村部ではわずか28%だった。だが2012年までに、都市部80%、農村部47%へと向上

・トイレが使えない人は依然として世界に25億人いる。その3分の2がアジア、4分の1がサブサハラ(サハラ砂漠以南の)アフリカで暮らす

・人口の半数がトイレを使えない国は46カ国ある

・屋外排せつはすべての地域で減少。だがいまも10億人が屋外排せつしている。その82%は10カ国に集中する。屋外排せつをする人の9割は農村在住

・裕福な人のほうが貧しい人よりもトイレを使える割合は高いが、その格差が狭まりつつある国もある

・農村部では、貧富の差がトイレの利用率の差につながる。人里離れた地域で暮らす人や社会から疎外されている人ほどトイレを利用できない

■23億人が改善された水源を使用可能に

・2012年末までに世界人口の89%が改善された水源を利用できるようになった。22年間で13%増、人数にすると23億人。このうち16億人は家庭で水道が使えるようになった

・改善された水源を利用できる人の割合は、1990年の都市部95%、農村部62%から、2012年までに都市部96%、農村部82%まで向上

・改善された水源が利用できない人は7億4800万人いる。その43%がサブサハラアフリカ、47%がアジア。82%が農村部で暮らす人たち

2000年に採択された国連ミレニアム開発目標(MDGs)は、水とトイレについて「2015年までに安全な飲料水と基本的なトイレを持続的に利用できない人の割合を半減する」ことを掲げる。2012年までに、飲料水の目標をクリアしたのは116カ国。トイレの目標は77カ国が達成した。

排せつ物を適切に処理できないトイレや排せつ物に汚染された水は、コレラ、下痢、赤痢、A型肝炎、腸チフスなどの感染を起こす。UNICEFのサンジャイ・ウィジェセケラ水と衛生事業担当部長は「子どもたちがより健康で学べることを望むのなら、水とトイレをより公平で公正に使えるようにしなければならない」とコメントする。(堤環作)