キューバ初のトランスジェンダー議員が誕生

キューバで初めてとなるトランスジェンダー議員が今月、誕生した。アデラ・エルナンデス氏(48歳)は、キューバ中部のヴィラ・クララ州カイバリエンの市議会選挙に出馬、当選した。11月18日付ガーディアンが報じた。

エルナンデス氏はもともと看護師。幼少期から「女性」として成長してきたが、法律上は男性。LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー=性的少数者)への偏見・差別から、「危険人物」の烙印を押され、1980年代に2年間の獄中生活を余儀なくされた。キューバではかつて、LGBTは辺境での労働を強制されていたという。

風向きが変わったのは、フィデル・カストロ議長(当時)が、キューバ国内のLGBTに対する偏見・差別について謝罪したことだ。これをきっかけに、キューバ社会は良い方向へと変わり始めた。キューバでは医療費は無料だが、性転換手術も対象に含める、とキューバ政府は2007年に決定している。

エルナンデス氏は、今回の当選を「LGBTへの差別をなくしたキューバ社会の偉大なる勝利。LGBTの人権擁護のために活動したい」と抱負を語る。

キューバで最も知られるLGBT人権活動家は、マリエラ・カストロ氏。フィデル・カストロ前議長のめいで、ラウル・カストロ現議長の娘だ。