アジアの文字のタイプライターが集結、東京外大で11月27日まで展覧会

1109松本さん、アラビア文字タイプライターアラビア文字タイプライター

アジアのさまざまな言語に対応するタイプライターが一堂に会する「アジア諸文字のタイプライター展」が11月27日まで、東京・府中の東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で開かれている。和文タイプライターを改造して製作され、同大学で1980年代にヒンドゥー語の教科書作りで使われた大型タイプライターなども見ることができる。

この展覧会では、インド系文字であるデーヴァナーガリー文字やベンガル文字、ビルマ文字などのタイプライターを展示。こうしたタイプライターは欧文タイプライターや和文タイプライターを改造したものだ。インド系文字は、子音の連続を表す結合文字という種類の文字を持つ。そのためこれらのタイプライターは、下段に基本文字、上段に結合文字のキーが置かれ、シフトキーで切り替える。

デーヴァナーガリー文字のタイプライターでは、和文タイプライターを改造した大型のものも展示。和文タイプは入力法が複雑なので、会場では「実演映像」を上映している。

インド系文字以外のタイプライターでは、アラビア文字やヘブライ文字、ウルドゥー文字のタイプライターを展示。この3種の文字は、書写方向が右から左。それに対応し、タイプライターも右から左に文字を打つことができる。

会場には、東京外大の語学研修で1970年代半ばに使われていた、チベット語とビルマ語の教科書も展示されている。これらの教科書も、チベット文字やビルマ文字のタイプライターで作られたもの。会場スタッフは「タイプライターは打ち直しがきかないので、行間に無理やり打ち込み、補助線を入れた」と当時のエピソードを語る。確かに教科書には、鉛筆で語句を追加した跡がある。

展示会は、東京外大アジア・アフリカ言語文化研究所1階の資料展示室で、11月27日まで。土日祝日は閉まっているが、外語祭期間の21日から23日までは特別に開いている。時間は午前10時~午後5時。入場無料。

ビルマ文字タイプライター

ビルマ文字タイプライター