海外在留邦人は過去最多の132万人、でも20代男性はたったの6万6000人!

フィリピン・セブで暮らす日比混血児たち。海外在留邦人が増えると、親の国籍が異なる子どもも増えていく

海外に3カ月以上滞在する「在留邦人」の数は2015年10月1日時点で131万7078人。前年から2万6903人(2.1%)の増加で、過去最多を記録した。外務省がこのほど発表した「海外在留邦人実態調査」で明らかとなった。ただ世代別でみると、20代男性が全体に占める比率は4.9%(6万5825人)にとどまり、相変わらず少なさが際立っている。

■タイは6万7000人で5位

在留邦人が最も多いのは米国。約42万人で、全体の32%を占めた。以下、中国約13万人、オーストラリア約9万人、英国約6万8000人、タイ約6万7000人、カナダ約6万6000人、ブラジル約5万4000人、ドイツ約4万2000人、フランス約4万人、韓国約3万8000人、シンガポール約3万7000人の順。

前年から在留邦人が増えた国トップ3は、米国(5363人増)、オーストラリア(4050人増)、タイ(3139人増)。ただ伸び率でみた場合、ミャンマーが33.5%増(人数は1330人から1776人へ)と断トツだ(前年の伸び率は49.3%増)。カンボジアも9.8%(222人)増(人数は2270人から2492人へ)。カンボジアの場合、前年の伸び率は26.6%だったことから、日本人の流入傾向はひとまず落ち着いたといえそうだ。またベトナムの在留邦人も約8.5%(1148人)増加した。

対照的に、在留邦人が少なくなったのは中国で、前年から2741人(2%)の減少。中国は12年の15万人をピークに在留邦人が減り続ける。フィリピンは1849人(9.8%)減、ペルーとパラグアイはそれぞれ232人(6.5%)減、105人(3%)減。

男女比でみると、女性の在留邦人が68万3695人(全体の52%)と、男性の63万3383人を上回る。この傾向は1999年以来ずっと同じだ。

また世代別では、最も多かったのが20歳未満の29万7322人。全体の23%を占めた。これに続くのが、40代27万6279人(21%)、30代24万7874人(19%)、60歳以上17万6645人(13%)。20代は15万3341人(男性6万5825人、女性8万7516人)で、全体の比率はわずか11.6%だった。

■日系企業の47%が中国

外務省の「海外進出日系企業実態調査」によれば、15年10月1日時点で海外に進出する日系企業の総数(拠点数)は7万1129拠点。前年から2556拠点(3.7%)増え、過去最多となった。日系企業は過去5年で14%(8834拠点)増加したことになる。

国・地域別では、中国が全体の47%を占める3万3390拠点で群を抜く。以下、米国(7849拠点)、インド(4315拠点)、ドイツ(1777拠点)、タイ(1725拠点)、インドネシア(1697拠点)、ベトナム(1578拠点)、フィリピン(1448拠点)、マレーシア(1383拠点)、台湾(1125拠点)、シンガポール(1116拠点)と続く。アジア諸国・地域が圧倒的に多い。

前年から日系企業の数が増えたのは、中国(723拠点増)、インド(435拠点増)、シンガポール(337拠点増)、パラグアイ(196拠点増)、メキシコ(143拠点増)、ベトナム(126拠点増)、ドイツ(93拠点増)、ミャンマー(87拠点増)、タイ(84拠点増)など。とりわけインドはここ9年で9倍と急増した。

減ったのは、フィリピン(73拠点減)、インドネシア(69拠点減)、英国(63拠点減)など。

国・地域別の在留邦人数(1~15位)

国・地域別の在留邦人数(1~15位)。外務省の「海外在留邦人数調査統計」から引用

国・地域別の在留邦人数(16~26位)

国・地域別の在留邦人数(16~26位)。外務省の「海外在留邦人数調査統計」から引用

国・地域別の在留邦人数(27~45位)

国・地域別の在留邦人数(27~45位)。外務省の「海外在留邦人数調査統計」から引用