シェムリアップきっての人気校のワットボー小学校、児童の健康を守る3つの活動を始めたのは日本人!

0808!cid_AE2EBBEC-544E-4644-BCA0-5E2319856CBEカンボジアのシェムリアップにあるワットボー小学校。丁寧に何度も手を洗う様子

カンボジアのシェムリアップにあるワットボー小学校は、公立にもかかわらず、児童の健康を重視し、「健康診断」「手指衛生」「歯磨き」の3つに本格的に取り組んでいる。同校のコンロアッ教頭は「約10年前にワットボー小学校にやってきた田中千草さんのおかげだ」と話す。

児童の歯科検診をするのは、歯科医師、歯学部の学生、歯科衛生士など数十人の日本人ボランティアだ。コンロアッ教頭は「ボランティアの医師は田中さんの紹介で来ている」と話す。健康診断で万が一悪いところが見つかれば、児童の保護者に伝え、病院に連れて行くよう促している。

正しい手の洗い方を指導するのは教師。高学年の児童が幼い子どもに手洗いを教えることもある。手の洗い方をイラストで説明するポスターが、子どもでも一目でわかるように、保健室の壁や学校の掲示板に貼られている。子どもたちは実際、イラスト同様に手の平や指の間を何度もこすり合わせて洗う。「トイレの後や食事の前に石けんを使って洗っている」と元気良く答える子どもたち。クラスの中でも当番制でトイレを掃除したり、手洗い場の石けんを補充したりと、大人だけでなく子どもも衛生環境を整えている。

同校は午前と午後の「二部制」に分かれている。そのため、ほとんどの児童が昼食を家でとり、学校で歯を磨く機会は少ない。しかし、同校では歯ブラシと歯磨き粉を持ってきて歯磨き指導の時間を設けている。大きな手作りの模型を使い、イラストも用いて行う。

歯磨きや手洗いは学校だけでなく家庭での指導も重要だ。そのことについてコンロアッ教頭は「今後は、1年に3回開かれるPTAの集まりで家庭での状況を把握していきたい」と話す。

ワットボー小学校はシェムリアップきっての人気校だ。その理由のひとつは、学業だけでなく子どもの健康にも積極的に取り組んでいることだ。シェムリアップ在住の多くの保護者は、自分の子どもをこの小学校に入れることを希望している。

ワットボー小学校の掲示板に貼られている手の洗い方のポスター

ワットボー小学校の掲示板に貼られている手の洗い方のポスター

ワットボー小学校の保健室に掲示してある歯磨きのやり方

ワットボー小学校の保健室に掲示してある歯磨きのやり方。歯科検診をした日本人ボランティアらが置いていったものだ