名門シェイク・アンタ・ジョップ大学(UCAD)の修士課程に通うオマール・シーソコさん。毎日のお祈りは欠かさない敬虔なイスラム教徒。UCADのキャンパス内で撮影セネガルの大学生にも当然、悩みはある。“セネガルの東大”の異名をとる名門シェイク・アンタ・ジョップ大学(UCAD)の修士課程で英語を学ぶオマール・シーソコさんは「学業を続けるためのお金をどうするかという問題がひとつ。あとは大学を出ても仕事がないことだ」と切実に語る。
奨学金が止まった
UCADでは先日まで、学生たちがストライキをしていた。理由は、1カ月4万CFAフラン(約1万1200円)の奨学金の支給をセネガル政府が止めたこと。結局、多くの学生にとって2025年の支給分は取り返せなかったが、2026年からはもらえるようになった。「勉強を続けるにはお金が必要なんだ」とシーソコさんは繰り返す。
ただ奨学金の目的は学費をサポートするものではない。UCADの授業料は登録料を除けば基本無料だ。ただ年間の登録料は学部で2万5000CFAフラン(約7000円)、修士課程5万CFAフラン(約1万4000円)、博士課程は7万5000CFAフラン(約2万1000円)かかるという。
この1万~2万円前後という金額は、セネガルの水準からすれば決して安くない。同国の非農業部門の最低賃金は1時間約370CFAフラン(約104円)。週40時間労働で計算するなら、1カ月の最低賃金は約6万4175 CFAフラン(約1万8000円)だ。
では奨学金は何のためのお金なのか。セネガル南部から上京してきたシーソコさんは「学生の生活費だ」と言う。UCADには地方出身の学生も多く在籍する。彼らは自分で部屋を借り、水道光熱費などを払わなければならない。
シーソコさんの場合、UCADから約5キロメートルのところに部屋をひとつ借り、学生5人で共同生活している。そこにはベッドが5つ、勉強できる机がひとつ。「自炊はほぼしない」と言う。
1カ月の生活費は合わせて11万CFAフラン(約3万900円)ぐらい。内訳は下のとおり。数字はすべて1カ月1人当たり。
高いほうから順に、食費6万CFAフラン(約1万6800円)、家賃5万CFAフラン(約1万4000円)、電気代4000CFAフラン(約1120円)、携帯電話代3000CFAフラン(約840円)、水道代2000CFAフラン(約560円)、ガス代1000CFAフラン(約280円)。
「これに加えて、授業で必要な本を買わないといけない。1年間(2セメスター制)に6冊程度。本はだいたい1冊2000~3000CFAフラン(560~840円)する。これが重いんだ」とシーソコさんは嘆く。
キャンパスの中には図書館もある。「ただ学生は同じ本を同時に必要とするので、借りられない」(シーソコさん)。ちなみに図書館を利用するにも学生は年間1000CFAフラン(約280円)を払う必要がある。
シーソコさんは「お金がまったく足りない。親から時々送金してもらったり、休みに自分でジャージを仕入れ、それを売ったりしている。まとまったお金がもしあれば、バイクを買って、それをチャックチャック(バイク便)としてだれかに貸し、それで稼ぎたい。自分が働かなくても勉強できるから」と話す。

シェイク・アンタ・ジョップ大学(UCAD)のキャンパス。UCADはかつてダカール大学と呼ばれていた、9万人前後の学生を擁するセネガル最大の国立大学。 創立は国内最古の1957年。西アフリカ(フランス語圏アフリカ)でも高い権威を誇るといわれる。レオポール・サンゴール初代大統領やアブドゥ・ディウフ第2代大統領、マッキー・サル第4代(前)大統領などを輩出する














