名門シェイク・アンタ・ジョップ大学(UCAD)の修士課程に通うオマール・シーソコさん。毎日のお祈りは欠かさない敬虔なイスラム教徒。UCADのキャンパス内で撮影マンモス化した大学
もうひとつの悩みは就職だ。シーソコさんの夢は大学で英語を教えるか、セネガル国内にある大使館で働くこと。「大使館は、イスラエル以外ならどこでもいい」(シーソコさん)
だが現実は厳しい。その理由のひとつが、セネガル人の平均年齢が約24.5歳と若く、わかりやすく言い換えるなら若者が異様に多いことだ。中央値だと約19.8歳。
若者の数の爆発的な増加に呼応してUCADはマンモス化していった。ほかの大学も含めて5万人前後の若者が毎年卒業する。雇用の受け皿は十分ではない。
セネガルの2025年のGDP成長率は5.9%。経済は右肩上がりでも、大卒者を多く雇える企業は現実としてまだまだ少ない。
大企業を列挙すると、フィンテック(IT金融)の分野では、フランス系のソナテル(「オレンジマネー」というモバイルマネーを提供)と米国資本でセネガル生まれのウェーブが2強。ウェーブは、手数料の安さを武器にセネガルで“決済革命”を起こし、フランス語圏アフリカで初のユニコーン企業となった。
これ以外だと銀行、エネルギー、建設、食料品などに大手の会社がある。またフランスをはじめ外資系企業の進出は西アフリカの中では多いものの、東南アジアなどと比べるとレベルが段違いだ。
ちなみに世界的に有名で大御所のセネガル人歌手ユッスー・ンドゥール氏は、テレビ、ラジオ、新聞を網羅するメディアグループ「グループ・フュチュール・メディア (GFM)」のオーナーでもある。
雇用の創出が追いつかず、若者の失業率が高いことが大きな社会問題となっているセネガル。勉強熱心のシーソコさんは「お金があれば博士課程に進みたい」とつぶやくと、キャンパスの中にあるイスラム教徒がお祈りするスペースへと消えていった。

授業を終え、校門を出るシェイク・アンタ・ジョップ大学(UCAD)の学生たち。彼らがセネガルの未来を背負う。政府機関や政府系企業が「給料が高い」と人気だ














