父親が育児に参加すると‥‥子どもの「大学進学率は2倍」「うつ病は半分」に

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米州開発銀行(IDB)は2月14日、父親が育児に積極的に関与する必要性を訴える記事をホームページに掲載した。

育児は「女性の仕事」ととらえられがちだ。しかし、過去30年にわたる調査の結果、父親が育児に積極的に参加する重要性が証明されている。男性が「父親」の役割を十分に果たすことによって、子どもの成長に大きなインパクトを与えられるという。

父親が積極的に子どもとかかわることで、子どもの認識力や情緒が発達し、ストレス耐性が強くなり、問題解決能力が向上する。また、父親の育児への参加は、子どもの就学率や出席率、成績の向上に影響する。子どもがドラッグを使用したり、犯罪に手を染めたり、恋人に暴力を振るったりする意欲を抑えることも分かっている。

調査によれば、父親が育児にかかわった子どもは、そうでない子どもよりも大学への進学率が2倍高く、安定した職業に就く傾向が強い。また、十代で親になる確率は75%低く、警察沙汰を起こして刑務所送りになる可能性も80%も低い。急性のうつ病を患う確率が50%下がることも判明している。

しかし、新生児の保健サービスや子どものケアの現場、社会政策では、母親にしかできない役割が重視されがちだ。男性、特に貧しく、若く、教育レベルが低い父親は、育児から疎外されていると感じさせられる。

現実には、特に十代の母親にとって、感情のバランスを保ち、子どもとの絆を育むうえで、父親の育児参加は欠かすことができない。家族に栄養を行き届かせ、タバコや酒の乱用を避けるといった、健康的な習慣を続けられるかどうかという点でも、父親の果たす役割は大きい。

ラテンアメリカでは、グローバルな父性のキャンペーン「Men Care」が推進されており、男性がさらに積極的に育児にかかわるよう、より良い環境を整備するための手段を提供している。(今井ゆき)