男女格差の小さい国ランキング、途上国トップ3はルワンダ・フィリピン・ニカラグア

水くみをする女性(ミャンマー・ヤンゴン)

世界経済フォーラム(WEF)は11月19日、「世界男女格差報告書2015」を発表した。男女格差が最も小さいとされたのはアイスランド。以下、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンの北欧諸国、アイルランドが続く。途上国でトップだったのは、6位のルワンダ。フィリピン7位、ニカラグア12位、ナミビア16位、南アフリカ17位がこれを追う。日本は101位、最下位(145位)はイエメンだった。報告書は、男女格差が総合的に解消された国はまだひとつもないとしている。

男女格差指数を算出するベースとなる指標は「経済活動への参加と機会」「教育」「健康と生存」「政治的なエンパワーメント」の4つ。

■男女平等は2133年まで解消されない?

1つめの指標である「経済活動への参加と機会」で男女格差が最小だったのはノルウェーだ。2位はバルバドス、3位はブルンジだった。カリブ海の島国バルバドスは専門・技術職に就く割合で男女の差がないというのが好評価。ブルンジは就労率で男女平等だ。日本はこの指標で106位だった。

この報告書をWEFが最初に出した2006年以降、世界では、女性の労働力が2億5000万人増えた。ところが女性の賃金は、10年前の男性の水準にとどまるなど、賃金の不平等は残ったまま。この流れでいくと、経済面の男女格差が完全に解消されるのは118年後の2133年になる、とWEFは悲観的な予測をしている。

「教育」で男女格差がゼロとされたのは25カ国。アイスランドやフィンランドなどの先進国に加え、途上国からもニカラグア、ナミビア、コスタリカ、バハマ、ボツワナ、レソト、ガイアナ、ホンジュラス、ブラジル、スワジランドが名を連ねた。日本は84位。

世界の大学生の数をみると、97カ国で女性のほうが男性より多いという「逆転現象」が起きている。ただそれが雇用に結びついていないのが問題。専門・技術職で女性のほうが多い国は68カ国、指導的なポストで女性のほうが多い国はたったの4カ国だ。

■議員数が平等なのはルワンダとボリビア

「健康と生存」は、平均寿命とその男女比から割り出したものだ。4つの指標の中で、最も男女平等に近い。報告書によれば、40カ国で男女格差は解消されている。このなかには、フィリピン、ニカラグア、ナミビア、南アフリカ、ボリビア、エクアドル、モンゴル、ジンバブエ、ウガンダ、タイ、レソト、エルサルバドル、ジャマイカ、メキシコ、ベネズエラ、スリランカ、ブラジルなどの途上国も多く含まれる。日本は42位。

4つめの指標「政治的エンパワーメント」は、男女格差が最も大きい分野となっている。改善方向にはあるが、国会議員の数で男女平等とされたのはルワンダとボリビアの2カ国だけ。閣僚ポストの数でも平等なのはフィンランド、スウェーデン、フランス、カーボベルデの4カ国にとどまった。

WEFによると、過去10年にわたって継続調査してきた109カ国のうち、男女格差を縮めたのは103カ国。特にニカラグア、ボリビア、ネパール、スロベニア、フランスは大きな成果を挙げた。4つの指標別では、「経済」はサウジアラビア、「教育」はブルキナファソ、「健康」はグルジア、「政治」はアラブ首長国連邦(UAE)で男女格差の改善が最も進んだ。

対照的に進ちょくがないのは、スリランカ、マリ、ヨルダン、イラン、クロアチア、スロバキアの6カ国。「女性にとって暗い展望を示している」とWEFは評している。

男女格差指数トップ10(世界経済フォーラムから)

男女格差指数トップ10(世界経済フォーラムから)

アジア・大洋州の男女格差指数トップ10(世界経済フォーラムから)

アジア・大洋州の男女格差指数トップ10(世界経済フォーラムから)

中東・北アフリカの男女格差指数トップ10(世界経済フォーラムから)

中東・北アフリカの男女格差指数トップ10(世界経済フォーラムから)

サブサハラアフリカの男女格差指数トップ10(世界経済フォーラムから)

サブサハラアフリカの男女格差指数トップ10(世界経済フォーラムから)

ラテンアメリカの男女格差指数トップ10(世界経済フォーラムから)

ラテンアメリカの男女格差指数トップ10(世界経済フォーラムから)