日本を訪れた外国人旅行者の4分の1が中国人! 2015年は過去最高

0119訪日2015年の訪日旅行者数。日本政府観光局のサイトから引用

2015年に日本を訪れた外国人旅行者は1974万人(推計値)と過去最高を記録した。前年から47%の増加。日本政府観光局(JNTO)が1月19日発表した。国・地域別にみると、断トツで多かったのは中国の499万人で、全体の4分の1を占めた。

中国に続くのが、韓国400万人、台湾368万人、香港152万人の東アジア諸国・地域。米国103万人、タイ80万人、オーストラリア38万人、シンガポール30万9000人、マレーシア30万6000人、フィリピン27万人、英国26万人、カナダ23万人、フランス21万4000人、インドネシア20万5000人、ベトナム19万人が追う。

伸び率が最も高かったのは中国だ。前年の241万人から倍増した。これ以外でも香港65%、ベトナム49%、フィリピン46%、韓国45%、シンガポール36%、台湾30%、インドネシア29%の高い伸び率が目を引く。

外国人旅行者が増えた要因についてJNTOは、「クルーズ船の寄港の増加」「航空路線の拡大」「燃油サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下」「これまでの訪日旅行プロモーションの成果」の4つを挙げる。中国や東南アジアの経済成長、円安による割安感の定着、ビザの大幅緩和、消費税減免制度の拡充なども後押しした。

注目は、東南アジア6カ国(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)からの訪日旅行者数の合計が初めて200万人を突破したことだ。

タイは、ソンクラーン(タイ正月)のある4月の訪日旅行者数が東南アジア諸国として初めて単月10万人を超えた。花見の人気が高い。

インドネシアは、ルピア安の進行や経済の低迷が続く中、主な旅行先の中で日本は唯一、前年比2けた増を維持。ICパスポート保持者へのビザ要件の緩和措置や燃油サーチャージの引き下げ、訪日旅行プロモーションなどが奏功した。プロモーションの成果として5月には同国の保険会社の社員およそ1100人が報奨旅行で日本を訪れた。

フィリピンは、イースターが4月初旬となった影響で3月下旬の需要が大幅に増え、3月の訪日者数は前年から倍増した。また11月は、アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議のマニラ開催に伴う特別休暇が追い風となって訪日者数は1.5倍増。キリスト教の遺産を巡る旅をPRしたこともプラスに作用した。

ベトナムは、福島・茨城・北九州など地方空港へのチャーター便運航数の増加やそれを使った安いツアーの販売、留学生や技能実習生の増加などが全体の数字を押し上げた。

2015年に出国した日本人の数は、前年比4%減の1621万人。日本を訪れた外国人旅行者数を350万人下回った。訪日外国人旅行者数が出国日本人数を上回ったのは1970年以来45年ぶり。