1等1億円! 宝くじに群がるミャンマーのオヤジたち

0326佐藤くん、宝くじP1ヤンゴンにある27番街の宝くじ売り場。宝くじを買いにくる中年男性ら

1等10億チャット(1億円)の宝くじがミャンマーには存在する。ミャンマー政府が運営するものだ。ヤンゴン中心部を通る27番街では、当せんを夢みる人が毎日、路上の宝くじ売り場に詰めかける。1店舗当たり平均500枚の宝くじが1日で売れるという。買い手の多くが運試しをする40~50代の男性だ。

買い物客でにぎわう27番街には十数店舗の宝くじ売り場がひしめく。売り場には「ショーケースに宝くじを入れて販売する店」と「台車に並べて売る店」の2つがある。8店舗で話を聞いたところ、1日平均30人、多いときは70人が宝くじを買う。値段は1枚500チャット(約50円)。10枚(5000チャット=約500円)で買う人が多く、中には100枚の大人買いも。

宝くじ売り場で働くテテミュウさん(24)は「(1年前と比べて)最近は宝くじを買いに来る人が多くなった気がする。客層は相変わらず40~50代の男性が多い」と言う。27番街にある宝くじ売り場で宝くじを買った10人を数えたところ実際、10人中8人が中年以上の男性だった。

50代の男性は「運試しに来た。当たったら新しいアパートを買いたい」と話す。宝くじを買うようになったきっかけは、お金に余裕が生まれたから。20年以上にわたって宝くじを買い続け、最高当せん金額は20万チャット(約2万円)。「(当せん金は)貯金したが、結局宝くじ代で消えた」と笑う。

政府系企業に勤めていた70代の男性は「(この歳になって)家が欲しい。宝くじを買い続けていれば、いつかは当たる」と信じている。10年買い続け、最高当せん金額は100万チャット(10万円)。今後も毎月30枚は買い続けたいと語る。

中年男性が一攫千金を夢見るのとは対照的に、若者は宝くじに冷ややかだ。ヤンゴンにある観光名所シュエダゴンパゴダで若者10人に宝くじを買ったことがあるかと質問したところ、「ある」と答えたのは10人中でたったの2人。「宝くじ?そんなものにお金を使うなら洋服を買うわ」(女子大学生)、「あんなの(宝くじ)なんて当たらないよ」(男子大学生)。

1枚500チャットの宝くじは6桁の数字とアルファベットで構成される。買うときに好きな数字を言うと、店員がその数字を多く含む宝くじを選んでくれる。携帯電話の番号を登録するのは必須だ。

当せん結果は毎月1日、発表される。政府が管理する宝くじセンターで換金できる。1等の当せん者で、気付かない場合は、宝くじ売り場の店員が購入者に電話で当せんを知らせるという。

500チャットの宝くじの賞金は下のとおり(右は当せんする人数)。

・1等10億チャット(約1億円)・・・・ 1人
・2等5億チャット(約5000万円)・・・・1人
・3等1億チャット(約1000万円)・・・ 1人
・4等1000万チャット(約100万円)・・ 32人
・5等500万チャット(約50万円)・・・以下、人数は定まっていない
・6等100万チャット(約10万円)
・7等30万チャット(約3万円)
・8等20万チャット(約2万円)
・9等10万チャット(約1万円)
・10等5万チャット(約5000円)

ミャンマーの宝くじ。1枚500チャット(約50円)

ミャンマーの宝くじ。1枚500チャット(約50円)