JICAのBOPビジネス支援、「バングラデシュの“ミドリムシクッキー”」「セネガルでのトマト栽培」など8件採択

国際協力機構(JICA)は3月6日、BOP(Base of the Pyramid=貧困層)ビジネスの事業化可能性調査(FS)に最大5000万円を助成するスキーム「協力準備調査(BOPビジネス連携促進)」で、8つの案件を採択した。詳細は次のとおり。

1)インドネシア「ボアレモ県産カカオ生産推進」(兼松)

トウモロコシの焼畑農業を抑制し、高付加価値なカカオの生産を普及させ、BOP農家の所得を向上させる。

2)インドネシア「農業者向け天候インデックス保険」(損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント)

農業従事者向けの天候インデックス保険を提供することで、BOP層の小規模農家の天候リスクへの対応、所得の安定を目指す。

3)バングラデシュ「ソフトシェルクラブ生産」(玉野を元気にするぞ)

サイクロンの被害を受けた養殖池にマングローブを植え、ソフトシェルクラブ(脱皮直後のカニ)を生産する。零細養殖家の自立を支援し、所得向上と生活改善を目指す。

4)バングラデシュ「ユーグレナクッキー」(ユーグレナ)

栄養豊富なユーグレナ(ミドリムシ)入りのクッキーを低価格で販売し、BOP層の児童の栄養改善を目指す。利益の一部を原資に、最貧困層に対しては無償で配る。

5)バングラデシュ「中等教育と職業人材育成のためのe-ラーニング」(ネットラーニング)

中高校生や大学生、地元のIT企業の社員に対し、オンライン教材とオフライン教材を組み合わせたICT(eラーニング)を活用した教育・学習サービスを提供する。

6)チュニジア「高機能性オリーブを用いた商品開発」(アレナビオ)

付加価値の高いオリーブ製品をブランド化し、オリーブ生産者の所得向上を目指す。

7)モザンビーク「電子マネー技術を用いた金融・情報インフラ」(NEC

NECがもつICT技術を駆使した「金融・情報インフラサービス」を提供。零細農民をはじめとするモザンビークのBOP層が抱える「情報と金融へのアクセス不足の問題」の解消を目指す。

8)セネガル「トマト栽培・加工」(カゴメ)

カゴメのノウハウを活用し、地元農家との契約栽培でトマトを作り、トマトペーストを生産する。セネガルだけでなく西アフリカ諸国へ販売し、農業従事者の貧困解消を目指す。