ベネズエラのチャベス大統領が3月5日午後4時25分(現地時間)、首都カラカスの軍病院で死去した。マドゥロ副大統領が国営テレビ・ラジオネットワークで明らかにした。チャベス大統領は2年にわたってがんとの闘病を続けてきたが、「2012年12月30日から脳死している」(ギジェルモ・コチェス元駐パナマ大使)との情報もあった。
チャベス大統領は1999年2月に大統領に就任。それ以降、貧困層のための改革を進めてきた。バラマキとの批判もかねて根強かったが、石油価格の高騰を背景にした石油輸出に支えられ、政権を維持してきた。ただ近年は、とどまるところのないインフレ高進と深刻化する治安状況もあって、国民からの支持を大きく失いつつあった。12年10月7日に実施された大統領選の苦戦は記憶に新しい。
右のインフォグラフィックは、ガーディアンが12年10月4日付記事に掲載したもの。これによると、チャベス政権は14年間で、ドル換算で1人当たり国内総生産(GDP)を2.5倍に伸ばし、極度の貧困人口を半分以下に減らした一方、インフレ率は30%を超え、また殺害された人数は倍増するなど治安は極度に悪化している。
【失業率】
99年14.5%→09年7.6%
【人口】
99年約2400万人(増加率は1.9%)→11年約2900万人(同1.5%)
【1人当たりGDP】
99年4105ドル→11年1万801ドル
【インフレ率】
99年23.6%→12年31.6%
【1ドル当たりの公式為替レート】
99年0.56ボリーバル→12年4.29ボリーバル(ブラックマーケットとのかい離は大きい)
【極度の貧困層が国民に占める割合】
99年23.4%→11年8.5%
【乳幼児死亡率(1000人当たり)】
99年20人→11年13人
【殺人率(10万人当たり)】
99年25人(殺害された人数は5968人)→11年45.1人(同1万3080人)
【石油輸出による収入】
99年144億ドル→11年は600億ドル