世界の汚職度ランキング、ワースト3はソマリア・シリア・南スーダン

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国際NGOのトランスペアレンシー・インターナショナル(TI)は1月29日、世界各国の公務員や政治家の汚職度合いを数値化した2018年版「腐敗認識指数」を発表した。対象180カ国・地域のうち、最もクリーンな国とされたのはデンマーク、最下位はソマリアだった。途上国トップは25位のブータン。日本は18位、米国は22位。

ワースト10(11カ国)に名を連ねたのは、ソマリア(180位)を筆頭に、シリア(178位)、南スーダン(178位)、イエメン(176位)、北朝鮮(176位)、スーダン(172位)、ギニアビサウ(172位)、赤道ギニア(172位)、アフガニスタン(172位)、リビア(170位)、ブルンジ(170位)。11カ国を地域別にみると、アフリカ7カ国、中東2カ国、アジア2カ国。紛争や経済混乱に陥っている国が大半を占めた。

インフレ率130万%(2018年11月)、難民300万人以上(ベネズエラの人口はおよそ3000万人)を出すなど、経済危機が止まらないベネズエラは、イラクと並び168位だった。ラテンアメリカで最下位。

対照的にトップ10は、デンマーク(1位)、ニュージーランド(2位)、フィンランド(3位)、シンガポール(3位)、スウェーデン(3位)、スイス(3位)、ノルウェー(7位)、オランダ(8位)、カナダ(9位)、ルクセンブルク(9位)。欧州を中心に先進国がずらりと並んだ。

途上国に限定するとトップ10は、ブータン(25位)、ボツワナ(34位)、ジョージア(41位)、セントビンセント・グレナディーン(41位)、カーボベルデ(45位)、ドミニカ国(45位)、コスタリカ(48位)、ルワンダ(48位)、セントルシア(50位)、ナミビア(52位)の順。

2018年の腐敗認識指数を2012年と比べて大きく改善させたのは、ミャンマー、チェコ、イタリア、ギリシャ、セネガル、エストニア、ラトビア、ガイアナなど20カ国。一方、セントルシア、バーレーン、シリア、ハンガリー、リベリア、ギニアビサウ、イエメンなど16カ国は大きく下げた。

腐敗認識指数のスコアは、各国・地域の公的機関の腐敗度を測ったもの。100点が最もクリーンで、0点が汚職塗れを意味する。TIによると、腐敗と民主主義の健全度には相関関係がある。完全な民主主義国家は平均スコアが75点なのに対し、脆弱な民主主義国家の平均は49点。独裁傾向のある国家は35点、独裁国家は平均30点だった。

TIのパトリシア・モレイラ理事は「独裁者やポピュリストの指導者による政治を理由に、世界の多くの国で民主主義が危機に瀕している。私たちはチェックとバランスをもっと強化し、市民の権利を擁護しなければならない。なぜなら腐敗は民主主義を崩壊させ、堕落の連環を作り出すからだ」と述べる。

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