ユニクロ 無印‥‥日本企業12社が中国でウイグル人を強制労働させていた、ヒューマンライツ・ナウが報告

新疆ウイグル自治区の区都ウルムチにあるウルムチ南駅。記事とは関係ありません(写真AC)新疆ウイグル自治区の区都ウルムチにあるウルムチ南駅。記事とは関係ありません(写真AC)

パタゴニアはウイグルから撤退

企業からの回答を受けて、ヒューマンライツ・ナウは11社に対して大きく2つの提言を出した。内容は、アパレル業界の人権問題に取り組む世界各国の国際人権NGOが公表した「新疆ウイグル自治区のアパレル・繊維産業における人権侵害に関するCall to Action」に基づく。

提言のひとつは、各企業が、新疆ウイグル自治区に製品の生産施設があるか、また自治区に拠点を置く企業と取引関係にあるかを把握することだ。2次以降のサプライチェーンまでさかのぼって調べ、その結果を公表するという。

もうひとつは、強制労働の問題が各企業のサプライチェーンにある場合は、新疆ウイグル自治区からの原料の調達や自治区での製品の生産を中止することだ。最近になって先陣を切ったのが、アパレル大手のパタゴニア。素材を調達してきたサプライヤーと契約を切り、自治区から撤退することを発表したところだ。

伊藤事務局長と一緒にオンラインイベントに登壇した、米国のNPO法人ワーカーライツ・コンソーシアムのペネロペ・キリティス戦略研究部長はこう訴える。

「無印良品やユニクロは、不買運動が起きたことを理由に、新疆綿の記述をウェブ広告から削除した。だが、それはウイグル人の強制労働をやめることにはまったくつながらない」

消費者ひとりひとりが企業にプレッシャーを与えることは可能だ。伊藤事務局長は「購入する商品を選ぶのは消費者自身。身に着ける服のブランドの企業のことを互いに話したり、SNSで発信したりするだけでも企業を監視することになる」と語る。

新疆ウイグル自治区にある強制収容所は1000カ所以上。自治区の人民政府があるウルムチ市の郊外には13万人を収容できる巨大なものもあるといわれる。収容所では中国語を使うことが必須。中国共産党を称える「再教育」でウイグル人を洗脳する。ウイグル族のほとんどがイスラム教徒だが、イスラムを信仰することは禁止だ。

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