お笑いは日本が輸出できる最後のもの? 国際派芸人フランポネが留学生に日本語漫才を手ほどき

国際交流のイベントで登壇するフランポネ(左がマヌーさん)国際交流のイベントで登壇するフランポネ(左がマヌーさん)

セネガル人が仏語で漫才!

「漫才で覚える日本語」の授業をフランポネが始めたきっかけは、スイス人のシラちゃんが漫才で日本語を覚えたことだ。シラちゃんは来日して日本語学校に通った。だが文法中心の授業に限界を感じたという。そこで2018年、マヌーさんとともに吉本の芸人養成所に入学。漫才をしながら、自然な日本語を身につけた。

外国語の漫才を、世界各地の人々にオンラインで教える試みも始めた。アフリカのケニアではこれまでに2回、小学生と英語漫才を作った。セネガルの高校生が作ったのはフランス語漫才。フランス語はシラちゃんの母語だ。

漫才が世界に広まる可能性についてマヌーさんはこう語る。

「日本の芸人が国内だけで活動している今の状況を、僕たちは変えられる。漫才はサッカーと同じで特別な道具が要らないから、どんな国でもできる。車の輸出で韓国や中国に日本が負けてきている今、日本が世界に売り出せる最後の製品は漫才かもしれない」

マヌーさんは芸人になる前、丸紅ロジスティクス(本社:東京・千代田)に勤めていた。商社マン時代と比べて、芸人としての今の収入はおよそ20分の1。月額で1万~3万円だ。お笑いの仕事のかたわら、テレビ番組の製作会社で通訳をして生計を立てる。

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