【キベラスラムで闘う人たち④】ミスターパッドがナプキン片手にセックスを語る! 「生理はみんなの問題」

笑顔を見せるフセインさん(左)とキルタのメンバーの女の子笑顔を見せる「ミスターパッド」ことフセインさん(左)とキルタのメンバーの女の子

ケニア・ナイロビのキベラスラムに「ミスターパッド」と呼ばれる男がいる。地域社会組織キルタ・タッチ・ザ・ニーディ(キルタ)の代表、アブドゥール・アリ・フセインさんだ。フセインさんは、女性だけでなく男性にも生理の正しい知識を伝え、生理になった女性に対する偏見をなくすことを目指す。(第1回第2回第3回

生理は汚くない

フセインさんは、キベラスラムのリンディ区に50人が入れるスペースをもつ。ここで毎週日曜日、女の子に性教育をする。

生理が始まる12~14歳の女の子には生理の基本的な情報を伝える。ケニアでは生理が汚いものであるという偏見が強い。フセインさんは「生理は女性が成長するうえで普通なこと」「決して悪いことではない」と強調する。

多感な時期である15~17歳にはセックスや避妊の話をする。十代での妊娠や、HIVをはじめとする性感染症(STD)の感染を防ぐのが狙いだ。

男の子も下着にナプキン

「生理は女性だけの問題じゃない。みんなの問題だ」

フセインさんがこう言うとおり、男の子への性教育にも力を入れる。女の子の気持ちを少しでも理解できるよう、男の子全員が女性の下着にナプキンをつけるデモンストレーションもする。

恥ずかしがってナプキンに触ろうとしない男の子もいる。そういう時は「恥ずかしいことじゃない。男の俺もいつもこうしてナプキンを持ち歩いてるんだぜ」とポケットからナプキンをとり出して見せる。

フセインさんは性教育以外にも、キルタのスペースを開放して女の子が放課後に集まれる場所を提供したり、ナプキンを無料で配ったりする。また妊婦や産後の若い母ら約120人に対して、子どもの育て方を教えるなどのワークショップも開催する。

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