日本のNGOアフリカ平和再建委員会、ルワンダの小学生に奨学金「8000円で1年通える」

ルワンダ子ども支援基金の援助を受ける親子と、同基金を運営するNGOアフリカ平和再建委員会(ARC)の小峯茂嗣事務局長(前列右から3番目)ルワンダ子ども支援基金の援助を受ける親子と、同基金を運営するNGOアフリカ平和再建委員会(ARC)の小峯茂嗣事務局長(前列右から3番目)

元孤児が音楽プロデューサー

ARCがルワンダ子ども支援基金を設立した2002年当初は、ジェノサイドで親を失い、キガリの孤児院ギシンバ・メモリアル・センターで暮らす孤児に学費や学用品を提供していた。

ただルワンダ政府はその後、「孤児は家庭(里親など)で育てる」方針に転換。孤児院から子どもがほぼいなくなったため、ARCは、ギシンバ・メモリアル・センターの元スタッフが立ち上げたネイチャーナースリー&プライマリースクールに通う貧しい子どもへのサポートを始めた。

ギシンバ・メモリアル・センターでかつて暮らし、同基金の援助を受けて小学校に通った元孤児のキラ・ジャンさん(28歳)は、学校で音楽に興味をもった。孤児院の一部屋を使って作曲に没頭。音楽専門学校に進学し、現在は音楽プロデューサーとして活動する。仕事と並行して、ボランティアでストリートチルドレンに音楽を教えている。

ジャンさんは「音楽を通じて多くの人と出会い、世界が広がった。今度は自分が子どもたちの可能性を広げたい」と話す。

軍人として働くかたわら、貧困層の子どもがプレーするサッカーチームを運営するのは、同じく孤児院で育ったフェリックス・トゥラツィンジェさん(27歳)だ。「子どもたちの居場所を作りたかった」という夢を叶えた。

小峯さんは「ARCの支援を受けて小学校を卒業した元孤児が、自分の育った施設の子を里親として引き取ることもあった。ジャンやフェリックスのように、大人になって次の世代のために動く人もいる。立派に成長した子どもたちの姿が見られて嬉しい」と笑顔だ。

ルワンダの貧しい子どもを学校に通わせることができるルワンダ子ども支援基金への募金は2種類から選べる。ひとつはサブスクリプション型(月額1000円、3000円、5000円)、もうひとつは単発型で500~5万円。

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