水上のアートショップがベナン・ガンビエにあった、侵食水草からかごを作って売る

水上集落ガンビエでハジャゴン・フィナさんが共同経営するアートショップ「「メゾン・アーティサナル・デ・ガンビエ」。ボートに乗って観光する外国人観光客が訪れる水上集落ガンビエでハジャゴン・フィナさんが共同経営するアートショップ「メゾン・アーティサナル・デ・ガンビエ」。ボートに乗って観光する外国人観光客が訪れる。というよりボートでしか来れない

客は1日わずか1~2人

かご、帽子、かばんの価格はすべて3000CFAフラン(約750円)前後。ターゲットは、ガンビエを訪れる外国人観光客だ。

メゾン・アーティサナルを訪ねる外国人観光客の数は1日60~100人。このうち商品を買っていくのは1~2人だけだという。

経営が一番苦しいのは、湖面の水位が高い時だ。ノコウエ湖は雨季に当たる6~8月は水位が最も上がる。外国人観光客が乗るボートが転覆する危険性があるため、来客数は激減。売り上げもゼロに近い。

その日暮らしのハジャゴン一家にとってはこの3カ月をどう凌ぐかが大きな課題だ。5人の子どものうち、上の2人は成人して働いているが、下の3人は17歳、13歳、1歳。高校まで卒業させたい、とハジャゴンさんは話す。

魚売りから転業

ハジャゴンさんはかつて、魚を市場で売って生計を立てていた。幼いころから両親に連れられてボートに乗り、家業を手伝ってきた。ガンビエの学校に通っていたが、12歳の時に教師に殴られ中退。以来、ガンビエで最もメジャーな仕事のひとつである魚を売る仕事一本で生活をしていた(ガンビエでは女性は漁師になれない。魚を売るのみ)。

ハジャゴンさんが29歳の時(今から14年前)、外国のNGOがガンビエで町おこしの事業を立ち上げた。そのひとつが、ホテイアオイを活用したかご作りだ。

ガンビエの住民を対象に参加者を募り、ハジャゴンさんは手を挙げた。23人の住民がかご作りを教わった。彼女はその後、針とはさみを自腹で買い、メゾン・アーティサナルを友人と共同でオープンした。この店は5年前にベナン政府が無償で建設してくれたという。ただこの店を辞める際は返却しないといけない。

かごづくりにシフトしたハジャゴンさん。「自分の作ったものを買ってもらえることが嬉しい」と笑顔で語る。

ハジャゴンさんが作ったかご。さまざまな大きさ・形のほか、帽子、びんの入れ物、かばんなども売られている

ハジャゴンさんが作ったかご。さまざまな大きさ・形のほか、帽子、びんの入れ物、かばんなども売られている

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