
ガソリン高騰が追い風に
ウィウィさんは近年のガソリン価格の高騰について「ガソリンが高く売れるようになり、もうかって幸せだ」と追い風を喜ぶ。
ウィウィさんは現在、25リットルのガソリンを1万3000 CFAフラン(約3150円)ほどで仕入れる。1リットルだと520 CFAフラン(約126円)だ。対する売値は同650 CFAフラン(約158円)。1リットル当たりの粗利は約130 CFAフラン(約32円)になる計算だ。
ガソリンスタンドを始めた3年前は、1リットル当たりの仕入れ値が今より120 CFAフラン(約29円)ほど安い約400 CFAフラン(約97円)だった。だが売値は450 CFAフラン(約109円)と安く、粗利は50 CFAフラン(約12円)ほど。現在は粗利が2倍以上に増えたことになる。
とはいえ、ウィウィさんのスタンドが650 CFAフラン(約158円)の価格設定は決して高すぎない。ドボ市にあるほかのスタンドでの価格をみると現在625〜650 CFAフラン(約152〜158円)で、相場通りだ。また国営ガソリンスタンド・チェーンのベナン・ペトロ(BP)でガソリンを買うと、現在1リットル695 CFAフラン(約169円)。これだけの利益を上げていてもなお、正規のガソリンスタンドよりお得だ。
低価格の理由は仕入れ値を安く抑えられていることだ。ドボ市の中心部にある道端ガソリンスタンドの多くは隣町のラロ市シピ村を拠点とするベナン人仲介業者から仕入れる。必要な時に連絡をとり、市内に来てもらうのだ。ドボ市心部に着いたとの連絡が来ると、ウィウィさんは自身の中国・ダヤン製バイクの足元に25リットルタンクを所狭しと3つも積んでガソリンを仕入れに行く。
正規の市場価格では現在25リットル当たり1万6000 CFAフラン(約3880円)ほど。他の仲介業者からでも1万5000 CFAフラン(約3640円)ほどだというので、1万3000 CFAフラン(約3150円)という安さが際立つ。

結婚したばかりの妻(右)と一緒で幸せそうなウィウィさん。妻が2号店でガソリンを売る