国軍が侵攻してきたミャンマー南部のタニンダーリ管区ダウェイとその周辺から逃れてきた国内避難民ら民主派のわずかな反攻
NUGはいま、少数民族の武装組織や民主派勢力と一緒になって、国軍が計画する選挙へ参加しないよう、市民に警告を発している。選挙プロセスに関与する市民を逮捕、処罰するケースも見られる。
国軍と戦う少数民族の武装組織は選挙をボイコットしている。だが武装組織も、民主化運動そのものも現時点は不正な選挙を確実に阻止する力をもっていない。
民主派勢力は選挙への抵抗を市民に呼びかけているものの、効果的なやり方を伴う具体的な戦略はない。そのあいだにも国軍は戦略的に前進を続けている。
国軍は10月下旬、著名な俳優を起用した選挙キャンペーン映像や、民主派勢力の信用を損なうことを目的とするプロパガンダ映像をリリースした。ミャンマー市民の大多数は、国軍に協力する俳優らをSNSで激しく批判している。
第2の北朝鮮になる?
政治アナリストらとミャンマー市民は、今回の選挙がミャンマーにとって前向きな変化はもたらさないと考えている。彼らが懸念するのは、国際社会がこの選挙を正当なものと認め、その結果、軍事政権が正当化されてしまう可能性があることだ。
ただこれまでの動きをみると、欧州連合(EU)は、ミャンマーの選挙は信頼できる根拠がなく、監視団を派遣しないと表明。またアントニオ・グテーレス国連事務総長も、この選挙が自由で公正なものになると信じる人はほぼ皆無で、ミャンマーの問題解決につながらないと述べている。
それでも選管は12月28日に選挙を実施する。翌年には、軍服を脱ぎ、一般の服に着替えただけの軍人らが文民政府を装ってミャンマーを支配し続けるだろう。
ヤンゴン在住の26歳の学生はこう言った。「選挙が終わった後、ミャンマーの状況は以前よりも悪化する。ミャンマーは第2の北朝鮮になる」

有権者の数を確認するダウェイ周辺の住民ら














