デモ先導で指名手配されたミャンマー人監督、潜伏生活を自撮りした映画が4月27日から全国公開

戦闘服に身を包む、映画「夜明けへの道」のコパウ監督。ミャンマーで築き上げた地位を捨てて最後まで戦い抜く覚悟だ戦闘服に身を包む、映画「夜明けへの道」のコパウ監督。ミャンマーで築き上げた地位を捨てて最後まで戦い抜く覚悟だ

軍事クーデターに抗議し、身柄を追われたミャンマー人の映画監督が自身の逃亡生活を撮影したドキュメンタリー映画が4月27日から順次、全国公開される。タイトルは「夜明けへの道」。潜伏先からオンラインで取材に応じたコパウ監督は「ミャンマーの現実を多くの人に知ってもらいたい」と話す。

命がけで抵抗する姿を記録

コパウ氏はミャンマーを代表する俳優であり、映画監督だ。2021年2月1日に国軍のクーデターが起きると、ミャンマーの最大都市ヤンゴンで芸能界の仲間とともに抗議デモの先頭に立った。約2週間後に国軍から指名手配された。妻子と別れ、きょうまで続く逃避行が始まった。

クーデターから約2年間、逃亡生活を送る自身の姿をiphone(アイフォーン)や身につける小型カメラGoPro(ゴープロ)を使って自撮りした。限られた機材を使い、1時間40分の映像に編集したのが「夜明けへの道」だ。

「誰も後をつけてきてないな」。映画の前半、ヤンゴン市内をバイクや自動車を乗り継ぎながら、友人らが用意した隠れ家に移動するようすを撮影したシーン。緊迫の映像に息をのむ。コパウ氏は「いつ殺されるかわからないという恐怖の中で撮影し続けてきた。この現実を歴史に残さなければ、という気持ちだった」と振り返る。

民主派勢力の支配地域で訓練をするPDFの兵士ら(映画「夜明けへの道」から)

民主派勢力の支配地域で訓練をするPDFの兵士ら(映画「夜明けへの道」から)

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