ベネズエラの石油産業は復活するのか。ベネズエラは確認埋蔵量では世界トップだが、生産量は20位と大きく落ちるシェブロンは求人開始
皮肉なのは、民主化の希望が日に日に薄れていくのとは対照的に、トランプ政権が目論む石油利権確保への動きが迅速なことだ。
トランプ大統領は先ごろ、米国の石油会社の幹部を呼び、ベネズエラへの投資を促した。ベネズエラ政府(チャベス政権)に同国での資産を接収された苦い経験をもつエクソンモービルは「投資は不可能だ」と断ったものの、ベネズエラの国営石油企業PDVSAと合弁事業を複数もつシェブロンはすでに、現地スタッフの募集を始めた。
ベネズエラ東部をベースとするメディア「エル・オリエンタル・デ・モナガス」の1月10日付記事によれば、募集するのは、石油産業にかかわるさまざまなエンジニアやIT、総務、人事、渉外、法律、財務、安全管理、環境管理、健康管理、マーケティングなどの担当者。
インターンの求人も同時にスタート。北東部アンソアテギ州バルセロナでのサプライチェーン管理や西部スリア州マラカイボでの上流工程(探査・開発)の業務などが対象だ。
とはいえ「ベネズエラの政権がどうなるのかもわからないのに、だれが応募するのだろう。“米国側の人間”と烙印を押されたら、命の危険すらある」と指摘する向きもある。そもそも政治の安定抜きに、崩壊した経済は復活できるのか。
トランプ大統領の思惑にはもちろん、石油利権だけでなく、キューバや中国、ロシア、イラン、ヒズボラ(ヨルダン)などとの関係を断たせ、西半球を米国の影響下に置きたいということもあるだろう。
それにしてもだ。トランプ政権がマドゥロ大統領を政権から排除して2週間。ベネズエラ国民の熱狂は徐々に冷めつつある。このままではベネズエラ国民にとっては、独裁政権による激しい弾圧も、1カ月の最低賃金1ドル以下と困窮した暮らしも変わらないことになる。
別の言い方をするならば、トランプ大統領は「石油欲しさ」のために国際法を破った「無法者」に映る。
ベネズエラの未来はトランプ大統領にかかっている。ベネズエラ国民にとっての「英雄(解放者)」として歴史に名を刻むのか、ただの石油泥棒となるのか、その岐路に立っているのがいまだ。
トランプさん、国際法より「人権」を優先した勇敢な男として後世に名を残しませんか。以上、ベネズエラ国民の胸の内をお伝えしました。














