道端で柔道を始めた17歳のセネガル人、10月のダカールユース五輪で金メダル目指す

柔道アカデミーの道場で練習中のマゲット・ジョップ選手(右)。畳の上に上がると、取材中のシャイな表情は消える。果敢に攻めるその姿からは内に秘めた力強さがまっすぐ伝わってくる。左はJICA海外協力隊の柔道隊員

2階級上の選手に一本勝ち

柔道アカデミーに移ってからジョップ選手は初めて、国際大会でメダルを手にした。アンゴラで2025年12月に開かれたアフリカ大会の団体戦。準々決勝のカメルーン戦で、66キログラム級のディオプ選手は81キログラム級の選手と対戦した。

試合中盤、力で押すのではなく、コーチの指示通り相手の裏を突く戦略に切り替える。背後から襟首をとらえ、そのまま一本勝ち。自分より約15キログラム重い相手を倒したことに「すごく興奮した。事前の練習から本番まで柔道人生で一番きつかった」。

この団体戦で銅メダルを獲得。結果的にこの一戦でジョップ選手は大きな自信をつかむことになる。

モロッコのカサブランカで2026年1月に行われた国際大会にも出場。カデ(15〜17歳)のカテゴリーの個人で7位に入賞。世界レベルの選手と戦った経験は自身の現在地を知る機会となった。「もっと強くなりたい」(ジョップ選手)

3月27〜28日にダカール市近郊で開催される国際大会「オープンダカール」にも出場する予定だ。カデのカテゴリーに加え、18〜20歳前後の選手が参加するジュニアカテゴリーにもエントリーした。「上のカテゴリーの試合は厳しいけれど、メダルをとりたい」とジョップ選手。経験を積むためにあえてチャレンジする。

ジョップ選手の目標は明確だ。「2026年10月のダカールユースオリンピックで金メダルをとること」。道端から始まった柔道人生は今後、アフリカを超え、どこまで続くのだろうか。

柔道への確かな思いを言葉を選びながらていねいに語るジョップ選手。時折こぼれる柔らかな笑顔には17歳のあどけなさがのぞく

1 2