チリ・ガーナ・クルドの料理や踊り! 5月10日に東京・練馬で「難民・移民フェス」

「難民・移民フェス」の発起人のひとりである文筆家・イラストレーターの金井真紀さん(右)と「移住連」の理事の高谷幸さん。横断幕のイラストは金井さんが描いた©難民・移民フェス実行委員会

難民・移民フェス」(主催:同実行委員会)が5月10日の土曜日、東京・練馬の平成つつじ公園で開かれる。チリ、ガーナ、クルドの人たちが母国の料理や服、アクセサリーなどを売るほか、ステージでは歌や踊りも披露する。難民・移民フェスの発起人のひとりで文筆家・イラストレーターの金井真紀さんは「日本で暮らす難民や移民たちに会いに来てほしい。知れば怖いイメージはなくなるはず」と語る。

きっかけはエンパナーダ

難民・移民フェスを金井さんが立ち上げたきっかけは、難民が作る料理を3年前に食べたことだった。日本のビザが更新できず料理人の職を失ったチリ人がエンパナーダ(ミートパイのような料理)を月に一度、近所で振る舞っていた。1973年にチリで起きたクーデターに親族がかかわったため、本国にも戻れなかったのだ。

チリのエンパナーダを友人と食べた金井さんは「こんなに美味しい料理を作るスキルを発揮できないのはもったいない」と感じたという。

その5カ月後の2022年6月、金井さんは最初の難民・移民フェスを実現させる。エンパナーダを一緒に食べた友人というのが、難民・移民を支援する活動をつなげるNGO「移住連(移住者と連帯するする全国ネットワーク)」の理事を務める高谷幸さんだったのだ。

高谷さんの呼びかけで難民・移民フェスの開催に賛同する団体が集まった。彼らにはイベントを開くために必要な、会場やテントの準備、難民の人権を守るルールなどのノウハウがある。一方、金井さんは広報部門を担当。知り合いの映像作家やライター、カメラマンたちが協力した。フェスで売る料理などは支援団体のメンバーである難民・移民たちが作った。

難民・移民フェスを広報するイラストは金井さん自らが描く。今回はオリジナルのバッグとTシャツも作り、販売する予定だ。金井さんのポップでやわらかな難民・移民を描いたイラストがフェスの横断幕やフライヤーを彩り、陽気なBGMが流れるフェス会場は気軽に参加したくなる雰囲気を演出する。

「難民・移民たちにまずは会ってもらいたい。会えば、怖いといった負のイメージはきっとなくなる」という金井さんの思いが形になった。

クルド料理のラフマジュン。薄いパン生地の上にひき肉とトマトなどを載せてスパイスを効かせたクルドのピザだ(第5回「難民・移民フェス」で) ©難民・移民フェス実行委員会

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