ウルグアイのムヒカ大統領、「給与の9割を寄付する」という質素な生活

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大統領官邸に住まず、質素な暮らしを続けることで知られるウルグアイのホセ・ムヒカ大統領(77歳)。1月4日付ニューヨークタイムズは、ムヒカ大統領の暮らしぶりを取り上げた。

ムヒカ大統領は、妻と2人で、首都モンテビデオの近郊の小さな村にある小さな家で暮らしている。他の大統領がもつ豪華ヨットや執事、ワインセラーなどとは無縁で、菊の花を育てて近所の市場で売っているという。2010年に大統領に就任して変わったことといえば、私服のガードマンがほこりまみれの道に2人立っているだけだ。

ムヒカ大統領の1カ月の給与は1万2500ドル(約112万円)。ただ、この9割を貧困層のために寄付している。手元に残るのは1250ドル(約11万円)。これは、ウルグアイの平均所得である775ドル(約6万9000円)に近い水準で生活していることを意味する。

ムヒカ大統領はかつて、左翼ゲリラ「ツパマロス」の指導者だった。獄中で14年過ごしたこともある。“友だち”といえたのは、パンくずを与えていたネズミとカエルだけだった。こうした経験から、ムヒカ大統領は、豪華な大統領官邸が海辺のリゾートに建っているのを見ると「税金のムダ使い」だと感じるという。

ムヒカ大統領は、多くの国が経済最優先の方策をとっていることを嘆く。貴重な地球の資源をみんなが奪い合うという現実。「これはわれわれの文明の課題。少なくもっている人が貧乏なのではない。たくさん欲しがる人が貧乏なのだ」と語る。(今井ゆき)