ナイジェリアの人口、2050年に米国を抜く

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■世界人口の35%がアフリカに

アフリカの人口は来世紀にかけて大きく伸びる。とりわけ凄まじいのがナイジェリアで、2050年に米国の人口を抜く。西アフリカは今世紀末には世界で3番目に人口が多い地域になるという。国連が6月13日、世界の人口予測を発表した。

現在の世界人口は約72億人。これが2025年には85億人、2050年には95億人、2100年には110億人に達する。国連はこれまで、人口増加の推移を2050年93億人、2100年101億人と予測していたが、今回、これを修正した。

2050年までに増える人口の半分以上はアフリカで起こる。アフリカの現在の人口は11億人だが、2050年には2倍以上の24億人、2100年には4倍近い42億人となる。世界人口の35%以上を占める大陸になる見通しだ。

国連によれば、ナイジェリア以外では、マリ、ニジェール、ソマリア、タンザニア、ザンビアなどの人口は、2100年には現在の5倍以上に増加する。

アフリカから目を離すと、インドやインドネシア、パキスタン、フィリピンなども人口が大きく増大する。

インドの人口は現在、中国に次ぐ世界2位。ところが2028年には14億5000万人となって、中国と肩を並べる。中国の人口は2030年以降、減り始め、今世紀末には11億人にまで落ち込むが、インドの人口はさらに15億人へと増え、世界一の座に就く見込み。

人口が減少するのは43カ国。このほとんどが、欧州諸国などの先進国だ。ベラルーシ、ブルガリア、キューバ、ルーマニア、ロシア、ウクライナなどは2050年時点の人口がいまから15%以上少なくなるという。

■高齢者30億人の8割が途上国

報告書の中で国連はまた、高齢者人口の増大も予測した。60歳以上の世界人口は2013年時点で8億4100万人だが、今世紀末にはその3.5倍の30億人に拡大する見込み。60歳以上の人口の3分の2は途上国に住んでいるが、この比率は2050年には8割に高まるという。

高齢者が増える背景にあるのは寿命の延びだ。世界の平均寿命は、2050年には76歳、2100年には82歳に達するとみられる。これと軌を一にして、世界の平均年齢も、現在の29歳から、2050年は36歳、2100年には41歳に上がる。欧州の平均年齢は今世紀末、47歳になる。これは地域別でみると最も高齢だ。

こうした状況について報告書は「2050年にリタイヤする世代はいまの若者たち。ところが、彼らのなかには限られた就労機会しか与えられていない人も少なくないのが現状だ。これはつまり、多くの人は将来、リタイヤできないかもしれない」と危惧する。

報告書はさらに、家族の大きさについても言及。1世帯当たりの人数はここ数十年で大きく減った。世界人口の48%は、女性1人が生む子どもの数が2.1人以下の国に住んでいる。5人を超える国(31カ国)で暮らすのは世界人口の9%のみ。うち29カ国はアフリカで、これ以外はアフガニスタンと東ティモールだという。