カンボジアの青年が挑む無農薬野菜ビジネス、まずは外国人観光客がターゲット!

シェムリアップで無農薬栽培に挑戦しているチャンナン・ソピアンさん

カンボジアのシェムリアップで、野菜の無農薬栽培にチャレンジする青年がいる。チャンナン・ソピアンさん(28)だ。2013年にスタートし、現在は、外国人観光客が多く泊まる5つ星ホテルに無農薬野菜を売る。将来はカンボジア人にも無農薬野菜を食べてほしいと語る。

ソピアンさんの農場があるのは、シェムリアップ郊外のクロッバイリエル地区だ。作っているのは、レタスやトマト、キュウリ、スイカなど多種にわたる。無農薬の野菜を作る上で特に大事にしていることは土壌づくりだ。半年かけて自然発酵させた堆肥を畑にまく。ソピアンさんは「農作物に害虫が寄り付かなくなる」と話す。

販売先として最初に目をつけたのは5つ星ホテルだ。「5つ星ホテルは健康や安全への関心が高いだろうと考えた。高い値段でも買ってくれるはず」とソピアンさんは理由を説明する。

ところが最初はどのホテルも取り合ってはくれなかった。そこで、ソピアンさんは外国人の宿泊客に対して、自身が無農薬野菜を作っていることをアピールするようにした。すると、その観光客がホテルの従業員に「無農薬野菜を置いてくれ」と求め、ホテルからオーダーが来るようになった。現在はシェムリアップの10軒のホテルと契約を結んでいる。

ソピアンさんは、無農薬野菜を1キログラム当たり約8000リエル(約220円)でホテルに売る。シェムリアップの市場では通常、農薬を使って栽培された野菜は同500~1000リエル(約15~30円)で取引される。無農薬野菜の価格は約7~14倍にもなる。

無農薬野菜を作り始めてから4年、ソピアンさんは年間5000~6000ドル(約56万~68万円)の利益を挙げている。無農薬野菜をカンボジア人にも食べてもらいたい、というのが彼にとってビジネスのゴールだ。「農薬を使った野菜が今はカンボジアにタイやベトナムから入ってきている。けれど、自分が作った無農薬の野菜がいつかそれらに代わって、カンボジアの人たちに買ってもらえるようにしたい」とビジネスでの目標を語った。

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