難民の先進国への庇護申請、2013年は過去最多の55万人か

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国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、2013年上期(1~6月)に難民が先進国に庇護申請した状況を発表した。上期の庇護申請数は26万5900件(人)。通年では過去最多の55万件に達する見込みだ。難民を最も受け入れた先進国はドイツ。これに続くのが、米国、フランス、スウェーデン、オーストラリアだった。一方、難民を最も多く出した国は、ロシア、シリア、アフガニスタン、セルビア、パキスタンの順。詳細は下のとおり。

・先進44カ国への庇護申請数は約26万5900件。この数字は前年同期の20万9400件)から27%増。だが昨年下期(7~12月)の25万9900件からは2%の微増にとどまった。

・従来の傾向から予測すると、先進国への庇護申請件数は2013年通年で55万件に達する見込み。これは過去10年で最多。

・欧州38カ国への庇護申請は20万2900件。これは前年同期の15万2500件から33%増。2012年の下期 (20万5800件)とほぼ同じだった。欧州諸国への庇護申請は、先進国の庇護申請全体の76%を占める。

・欧州連合(EU)加盟28カ国への庇護申請は17万5500件。前年同期 の12万6800件から38%増えた。EU28カ国への申請は、欧州全体の86%を占める。

・欧州で庇護申請件数が増加したのは中欧で、2万5400件。前年同期(7100 件)比259%増。とりわけハンガリーとポーランドで増加した。

・北欧への庇護申請は2万8800件。前年同期(2万4500件)から18%の増加。すべての北欧諸国で申請数が増えた。また南欧は2万7200 件と、前年同期(2万1800件)比25%増。

・北米への庇護申請は4万2400件。前年同期から10%の減少。内訳は、米国へは4%増、カナダは58%減だった。

・日本と韓国への庇護申請は2100人。前年同期の1700 件から 22%の増加。

・ドイツへの庇護申請は4万2100件。前年同期は2万3300件だった。ドイツは先進国で最も多くの難民を受け入れている。以下、米国3万8000件、フランス2万9900件、スウェーデン1万8900件、オーストラリア1万8300件の順。上位5カ国で全体の55%以上を占める。

・最も多くの難民を出したのはロシアで、庇護申請数は2万4600件。以下、シリア1万9000件、アフガニスタン1万6500件、セルビア1万5900件、パキスタン1万2900件。5カ国で、先進国への庇護申請の34%を占めた。

・シリア難民の数が激増している。2013年上期は1万9000件を数えたが、前年同期は6700件、2011年同期は3000件だった。