ラオスに「クマもん&ゾウTシャツ」の群れ! 元留学生らが熊本震災チャリティイベント

0719中田さん、まだ西日の強い夕方のメコン河沿いを参加者たちが歩いていくまだ西日の強い夕方のメコン河沿いを参加者たちが歩いていく。ラオスのビエンチャンで(Photo by Pim Siphanthong)

ラオスの首都ビエンチャンで、「日の丸」を背中に描いたTシャツを着た人を見かけることがある。日の丸の中には「KUMAMOTO」という文字、それにくまモンとラオスのシンボルであるゾウが手を取り合うイラストがある。

このTシャツは、熊本震災のためのチャリティーウォーキングイベントがビエンチャンで6月18日に開催された際に配布・販売されたものだ。主催は「ラオス元日本留学生会( JAOL)」。市民の憩いの場であるメコン川沿いの広場で行われたこのイベントには、ラオス人元留学生や日本語学校の生徒を中心に600人以上が参加した。この日にあわせてJAOLが作ったTシャツは約800枚売れたという。

ウォーキングへの参加費(1人8万キープ=約1000円)、Tシャツの売り上げ(1枚4万キープ=約500円) 、集まった募金の合計から運営費を引いた金額、約3000万キープ(約38万円)をJAOLはこのほど、駐ラオス日本大使館に寄付した。

イベントの発起人であるJAOLのブアソーン会長は「4月の熊本地震はラオスではあまり報道されていない。ラオス人のほとんどは震災のニュースすら知らない。けれども元留学生の私たちは、熊本の人たちが大変な思いをしていることが想像できる。奨学金をもらって勉強させてくれた日本に、少しでも恩返しがしたかった」と開催の理由を説明する。

当日は、ウォーキングだけでなく、日本語を学ぶ生徒たちとビエンチャン在住の日本人の混成チームが「よさこい」を広場のステージで披露。イベントを盛り上げた。

浴衣姿で寄付金を募っていたラオス人の高校生は「日本へは10日間だけの留学だったけれど、日本が好きになった。震災のことを知り、とても悲しかった。ボランティアの募集を聞いて、すぐに応募した」と話す。また熊本大学に1年留学した元留学生は「自分のいた場所があんなふうに変わるとは信じられない。熊本に行ってボランティアはできないけれど、今日ここに来られてよかった」と言う。

国際協力機構(JICA)やNGOが出す奨学金をもらって、日本に留学するラオス人は毎年約50人。日本とつながりを持った学生たちが、日本・ラオス友好の輪をラオス国内で広げている。2016年は、外務省の対日理解促進交流プログラム「JENESYS2016」を通じて350人のラオス人学生が日本へ招聘される予定だ。

「クマ(熊本)がんばれ」と書かれたTシャツとうちわが参加者に配布された(Photo by Pim Siphanthong  )

「クマ(熊本)がんばれ」と書かれたTシャツとうちわが参加者に配布された(Photo by Pim Siphanthong )

ビエンチャン市内で日本語を勉強する生徒たちが中心になって、日本の曲やダンスを披露。「恋するフォーチュンクッキー」「妖怪ウォツチ」の振り付けも完ぺき(Photo by Pim Siphanthong  )

ビエンチャン市内で日本語を勉強する生徒たちが中心になって、日本の曲やダンスを披露。「恋するフォーチュンクッキー」「妖怪ウォツチ」の振り付けも完ぺき(Photo by Pim Siphanthong )

募金活動に励むラオスの学生ボランティアたち。浴衣がとっても似合う(Photo by Pim Siphanthong)

募金活動に励むラオスの学生ボランティアたち。浴衣がとっても似合う(Photo by Pim Siphanthong)