ベナン女子は自分流のおしゃれを楽しむ! 「仕立服? 300着もってるわ」

ビジネススクール1年生のナディージェ・ニョンヒンさん(右)。この日のコーディネートのこだわりは、色をリンクさせたピアスとトップスだ。左は筆者(ベナン・アボメカラビで撮影)ビジネススクール1年生のナディージェ・ニョンヒンさん(右)。この日のコーディネートのこだわりは、色をリンクさせたピアスとトップスだ。左は筆者(ベナン・アボメカラビで撮影)

西アフリカ・ベナンの街中で見かける女性のファッションはバラエティー豊かだ。色鮮やかなパーニュ(西アフリカの伝統布)で仕立てたオーダーメイド服、華やかなドレス、ミニスカートにブラウス。アフリカといえば、腰に布を巻いたスタイルを思い浮かべる日本人も多いが、見事に期待を裏切るファッション。ベナン最大の都市コトヌーにあるビジネススクール「Van Duyse Entrepreneurial Leadership Institute(VELI)」に通うナディージェ・ニョンヒンさん(22)は「ピアスと服の色をリンクさせるのがこだわりよ」と得意気に語る。

ニョンヒンさんは毎日、雰囲気の違うファッション・コーディネートを楽しむ。ある日はパーニュで作ったタイトなミニワンピース。別の日は、白地に青のチェック柄のシャツにスキニーパンツ。また違う日は胸元がV字にざっくりとあいたブラウスにジーンズ、といった具合だ。服にあわせて、毎日ピアスを変えることがニョンヒンさんのこだわり。

自分流のおしゃれについて話すニョンヒンさんはいつも楽しそうだ。その日のコーディネートの会話が盛り上がってくると、「友だちと卒業式に撮ったの!(友だちと)おそろいなの!」とお気に入りのパーティードレスの写真を見せてくれる。特別な日に着る服は、仕立屋(テーラー)で注文することが多いという。

ベナンではオーダーメイド服が人気だ。パーニュを売る店とテーラーの作業場が街中のいたるところにある。服を仕立てるにはまず、好みのパーニュを購入する。女性たちの間で一番人気のドレスを仕立てるには長さ3メートルの布が必要で、価格は4000セファ(CFA)フラン(約800円)ほど。次にパーニュを持ってテーラーに行き「こういう服を作りたい」と写真や口頭で伝える。仕立代はおよそ7000CFAフラン(約1400円)。

ベナン女性はパーニュの服をどれぐらいもっているのか。ベナンのアボメカラビで人気のテーラーに尋ねたところ、「300着はあるわよ」と驚きの答え。パーニュを訪問販売する女性は「私は180着。クローゼットに服が入りきらないから、スーツケースにしまっているわ」。ちなみに自称・アフリカ服コレクターの私がもっているのはたったの5着‥‥。

ファッションに対するベナン女性のこだわりは、オーダーメイド服がこの国でまだ人気を保っているベースになっているのかもしれない。あるベナン人テーラーは「バラエティーに富んだオーダーに応えたいから、ベテランテーラーからレッスンを受けているの」とスキルアップを欠かさない。個性的なファッションを追求するベナン人の姿勢が、既製服だらけの日本との大きな違いかも。

対照的なのは、アフリカ南東部のマラウイ。ベナンと比べ、オーダーメイドの服を着る人は多くない。マラウイ女性は伝統布の「チテンジ」を腰に巻き、ロングスカート代わりにする。チテンジは、頭の上に荷物を置いて運ぶ時のクッションや、赤ん坊のおんぶ紐としても重用。マラウイ女性にとってオーダーメイド服は日本と同様、特別なものだ。

日本のファッションが「トレンド」ありきだとすれば、ベナンのファッションは自分の「好み」ありき。自己表現の仕方はさまざま。おしゃれをもっと個性的に楽しむ女性がいろんな国で増えると、世界はカラフルに、そして楽しくなりそうだ。

友人のダニエル・トーホさん(左)とモノクロにそろえてシックにきめるナディージェ・ニョンヒンさん(ベナン・ガンビエで撮影)

友人のダニエル・トーホさん(左)とモノクロにそろえてシックにきめるナディージェ・ニョンヒンさん(ベナン・ガンビエで撮影)

ベナンでは男性もパーニュで作った上下セットをよく着る。女性に負けず華やかだ(ベナン・アボメカラビで撮影)

ベナンでは男性もパーニュで作った上下セットをよく着る。女性に負けず華やかだ(ベナン・アボメカラビで撮影)

水くみ帰りのマラウイの女性たち。チテンジ(マラウイの伝統布)を腰と頭に巻く(マラウイ・コタコタで撮影)

水くみ帰りのマラウイの女性たち。チテンジ(マラウイの伝統布)を腰と頭に巻く(マラウイ・コタコタで撮影)