在日ミャンマー人らがスーチー氏の解放訴え、「コロナで大変なのに抗議デモしてごめんなさい」

隣のタイで2020年に起きた反政府デモでも象徴となった「3本指を立てるポーズ」。「抵抗」を意味するといわれるが、話を聞いたミャンマー人によると「Peace(平和)を願うサイン」であり、民政復活への願望を込めているという隣のタイで2020年に起きた反政府デモでも象徴となった「3本指を立てるポーズ」。「抵抗」を意味するといわれるが、話を聞いたミャンマー人によると「Peace(平和)を願うサイン」であり、民政復活への願望を込めているという

少数民族への弾圧に警戒

デモの参加者には、カレン民族同盟(KNU)の旗を掲げたり、カレン族の伝統衣装をまとったりしている人が目立った。

ソーリンセインさんは、エーヤワディー出身のスゴーカレン族だ。日本ではホテルで働く。「軍事政権はまた、少数民族を抑圧するのではないかと心配です。カレン族はもう戦争したくない」と悲痛の表情を見せる。

ミャンマーでは、1948年の独立直後から少数民族の武装勢力が国軍との戦闘を続けてきた。2015年にKNUなど8つの勢力が全土停戦協定に署名し、紛争状態が終結したばかりだ。

軍政の異常さに気づいた

「私の周りには民主主義を求める抗議デモに対して理解してくれる日本人がたくさんいます。デモをさせてくれてありがとう」。日本在住6年で、東京・五反田で会社員をしているアウン(仮名)さん(33歳)は涙をこらえながらこう語る。

ジンマーさんは「ミャンマーから出て、民主主義国家(日本)に来て初めて、軍政の異常さに気づきました。日本にいるミャンマー人の方が民主主義の大切さをよくわかっています。ミャンマーの平和を応援してくれる日本人もたくさんいます」と話す。「NLDが圧勝した昨年(2020年)11月の総選挙の結果と、軍の暴力行為をどうか認めてください」と日本人に訴えかけた。

「We♡Myanmar」の白いベストを着た男性、赤いNLDのTシャツを着たボランティアスタッフたち。拡声器などを使ってデモの参加者を車道にはみ出ないよう誘導する

「We♡Myanmar」の白いベストを着た男性、赤いNLDのTシャツを着たボランティアスタッフたち。拡声器などを使ってデモの参加者を車道にはみ出ないよう誘導する

赤と白のストライプ柄のワンピースやシャツに鉢巻姿がカレン族の伝統衣装。左上に太陽と太鼓の絵があり、左側に赤白青の横しま模様がある旗がカレン民族同盟の旗。その真ん中にある赤い旗は、1948年から1974年までのビルマの国旗

赤と白のストライプ柄のワンピースやシャツに鉢巻姿がカレン族の伝統衣装。左上に太陽と太鼓の絵があり、左側に赤白青の横しま模様がある旗がカレン民族同盟の旗。その真ん中にある赤い旗は、1948~1974年に使われたビルマ国旗

左からジンマーさん、ウィンチョーさん、筆者(駐日ミャンマー大使館の近くで撮影)。赤はNLDのシンボルカラー

左からジンマーさん、ウィンチョーさん、筆者(駐日ミャンマー大使館の近くで撮影)。赤はNLDのシンボルカラー

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