【キベラスラムで闘う人たち②】地域の力ではしかとポリオがゼロに、その裏にヘルスボランティア!

ケニア・ナイロビのキベラスラムで活動するコミュニティ・ヘルス・ボランティア(CHV)のアウマさん(左)とアキニさん(右)ケニア・ナイロビのキベラスラムで活動するコミュニティ・ヘルス・ボランティア(CHV)のアウマさん(左)とアキニさん(右)

コミュニティは家族同然

スラム住民の健康を守るCHVだが、多くの問題にも直面する。

CHVは文字通り、全員ボランティアだ。なので時間や生活に余裕のある人しか続けられない。オチエンさんは水、アウマさんは魚をそれぞれ売って生計を立て、余った時間とお金をコミュニティのために使っている。だがすべてのCHVが安定した生活を送れているわけではない。

もうひとつの問題が医療費だ。病院に行ったところで、スラム住民のほとんどはお金をもっていないため医療を受けられないという。

「ケニアには国民病院保険基金(NHIF)という保険システムがある。けれども1カ月500ケニアシリング(約500円)の保険料はスラムの住民には高額。現在、マシモニでNHIFに加入するのは10%以下だ。お金がなければ病院に行っても追い返される。スラムの住民は家族が病気になったとき、親族や近所を駆け回って医療費を工面する」(オチエンさん)

医療費が重くのしかかる中、患者の負担を少しでも減らそうとCHVはみんなでお金を出し合い、救急車やタクシーの搬送代をねん出するという。

「私はここで生まれ育った。コミュニティは家族同然。助けないわけにはいかない」とオチエンさんは語る。(続く

キベラスラムの中にあるマシモニ地区。狭いところに多くの家が密集する

キベラスラムの中にあるマシモニ地区。狭いところに多くの家が密集する

高血圧についての注意を喚起するCHVのTシャツ

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