国際NGOプラン・インターナショナル、エチオピアとスーダンで女性器切除の根絶めざす

住民向けの啓発活動でFGM根絶について訴える女の子クラブメンバーたち(©プラン・インターナショナル)住民向けの啓発活動でFGM根絶について訴える女の子クラブメンバーたち(©プラン・インターナショナル)

スーダンでは縫合タイプが7割超

FGMの弊害は共通でも、エチオピアとスーダンではFGMの状況は異なる。冨田さんによると、FGMを受ける年齢、切除の範囲、切除する人などだ。

切除を受けたときの年齢の比率をみると、エチオピアでは0~4歳が52%を占めるなど乳幼児が多い。次いで5~9歳が23%。スーダンでは0~4歳は9.6%にとどまり、5~9歳が過半数の63.7%だ。

切除の範囲も対照的。エチオピアでは、外性器の一部や全部の切除が9割と大半。これに対してスーダンでは、開口部を狭めるために膣の入り口を縫い合わせる割合が77%と高い。この縫合するタイプのFGMはもっとも身体的負担が大きいとされる。

また切除する人も、エチオピアでは伝統施術師が全体の98%を占めるが、スーダンでは76%が助産師によるものだ。冨田さんは「スーダンでは、FGMの健康被害が徐々に伝わるにつれ、助産師による施術が増えていったといわれる」と説明する。

FGMの根絶のために活動する英国のアドボカシー団体オーキッドプロジェクトが2022年に発表したデータによると、FGMを受けた女性の割合が最も多い国はソマリアで98%。2位はギニア(97%)、3位はエジプトとスーダン(ともに87%)だった。

アフリカでのFGMの傾向について、UNICEFは「30年前に比べて減っている」とみるが、国連人口基金(UNFPA)は「コロナ禍の影響で、根絶のための活動が計画通り進まないため、向こう10年は200万人増えるだろう」と警告している。

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