「2022年の途上国への送金額は79兆円以上」と世銀が見通し、ウクライナ向けは2割増か

ウクライナの首都キーウ(キエフ)にある地下鉄の駅。駅の構内は、ロケットや爆弾による攻撃中に数千人の避難所として機能する(Depositphotos,VistaCreate)ウクライナの首都キーウ(キエフ)にある地下鉄の駅。駅の構内は、ロケットや爆弾による攻撃中に数千人の避難所として機能する(Depositphotos,VistaCreate)

SDGsは「送金コスト3%」

世銀の送金価格世界データベースによると、200ドル(約2万5361円)を送る際の平均送金コストは2021年第4四半期で6.0%。これは、持続可能な開発目標(SDGs)の目標値3.0%の2倍にあたる。SDGsが掲げる目標は「2030年までに送金コストを3.0%未満に引き下げ、5.0%を超える送金経路を撤廃する」だ。

世界全体でみて送金コストが最も高い地域はサブサハラアフリカの7.8%。逆に最も安い地域は南アジアの4.3%。世銀は「最も安い南アジアでさえ、SDGsの目標3.0%よりも高い」と問題視する。

とはいえ、200ドルの送金にかかる平均コスト(2021年第4四半期)を前年同期と比べると、世界全体で漸減する傾向にある。サブサハラアフリカは8.2%から7.8%へ、東アジア・大洋州は6.9%から5.9%へ、中東・北アフリカは6.6%から6.4%へ、欧州・中央アジアは6.4%から6.1%へと下がった。ラテンアメリカ・カリブ海は5.6%からほとんど変化がなかったという。

ちなみに2021年に海外からの送金額が多かった国トップ5はインド、メキシコ、中国、フィリピン、エジプト。国内総生産(GDP)に占める送金額の割合が高い順だと、レバノン(54%)、トンガ(44%)、タジキスタン(34%)、キルギス(33%)、サモア(32%)となる。

ロシアによる侵攻を受ける前のキーウ(キエフ)の街並み(photoAC)

ロシアによる侵攻を受ける前のキーウ(キエフ)の街並み(photoAC)

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