ケニア大統領選は一騎打ち、庶民・若者の支持集める副大統領か、汚職撲滅の元政治犯か

ナイロビ市内に貼られたルト氏の選挙ポスター(7月13日撮影)ナイロビ市内に貼られたルト氏の選挙ポスター(7月13日撮影)

ナイロビはオディンガ支持

ケニアの大統領選は、地域や民族の要素が勝敗を左右するといわれる。大統領は自らの民族を優遇する政策をとる傾向が強いからだ。今回の大統領選でも、それぞれの地域でルト氏支持、オディンガ氏支持と鮮明に分かれる。

ルト氏の出身はセントラルリフト地域。ここでのルト氏の支持率は63%に達する。これ以外では、カレンジン人の多い北部(55%)、マウントケニア(53%)で過半数の支持を得る。

オディンガ氏の支持率は、地域別にみると出身地のニャンザ(68%)が最高。ナイロビ(58%)、コースト(50%)、西部(48%)となっている。

オディンガ氏は、マウントケニア出身の女性政治家で法務相を務めたことのあるマーザ・カルア氏(64歳)をランニングメイト(副大統領候補)に選んだ。だがマウントケニアは、対抗馬であるルト氏と同じカレンジン人が多いことから、オディンガ氏の支持率は24%と伸びていないのが現状だ。

過去には暴動で1300人が死亡

ケニアの大統領選はこれまでも、異なる民族間の争いが激化したり、選挙で不正に票が操作されたりといった事態が起きてきた。2007年の大統領選では1300人が死亡する暴動も。前回(2017年)は、不正の疑いが強かったため最高裁は選挙結果を無効と判断。投票をやり直した。

投票日の8月9日は、大使館や銀行が閉鎖する。また投票所となる公立の学校は投票日の1週間前から休みとなる。開票結果は8月16日までに発表される見通しだ。

ケニアの英字紙スタンダードの7月12日付紙面。今回の大統領選がルト氏(写真左)とオディンガ氏(写真右)の大接戦だと伝える

ケニアの英字紙スタンダードの7月12日付紙面。今回の大統領選がルト氏(写真左)とオディンガ氏(写真右)の大接戦だと伝える

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