4日経っても開票結果が出ないケニア大統領選、不正を疑う声も

候補者を書いた票を入れる有権者とそれを見守る監視員(ケニア・ナイロビの投票所で撮影)候補者を書いた票を入れる有権者とそれを見守る監視員(ケニア・ナイロビの投票所で撮影)

ルト氏リードも大接戦!

各メディアが発表する開票速報も人々を混乱させている。なぜなら主要メディアの速報数値がすべて違うからだ。

IEBCは集計の途中経過を発表しない。発表するのは各投票所で記入された34Aのフォーマットだけだ。各メディアはその画像をダウンロードし、各自で集計するのだ。 

だが4万6000以上の34Aの集計を正確に行うのは難しい。計算ミスが生じてしまう。そのミスがメディアが発表する数字の違いとなっている。

現地時間12日の昼1時の時点で、ルト氏とオディンガ氏の得票率をメディア別にみると、シティズンが49.33%と49.27%、ネイショングループが49.92%と49.41%、ザ・スタンダードが50.48%と48.86%となっている。

ルト氏がすべて僅差でリードしているが、すべて2%以内の大接戦。加えて主要メディアの数字がバラバラとなると、自分の支持者が勝っているのか負けているのか確証をもちにくい。

ナイロビのキベラスラムでコミュニティースクールを運営するコリンズ・オリガさんは「主要メディアの数字がバラバラで混乱する。きのうからニュースを見ないようにしている」と話す。

5年前の選挙ではIEBCは集計の速報値を発表していた。だが事前の世論調査から大きく外れた発表に、集計段階から不正を疑う声が続出した。これを危惧してか今回の選挙では、IEBCは速報値の発表をせず、34Aの公表にとどめている。

BBCによると、IEBCのワフラ・チェブカティ委員長は「各メディアが違う数字を出しているからといって、パニックになる必要はない」と、最終結果はあくまでIEBCが発表すると釘を刺した。

ウィリアムさんはうつむきながら、事態の行く末についてこう危惧する。

「ルト氏とオディンガ氏、どちらも負けを認めないだろう。そうなればどこかで暴動が起きる」

投票所の前で列を作る人たち(ナイロビで撮影)

投票所の前で列を作る人たち(ナイロビで撮影)

大統領を選ぶ投票用紙。候補者(大統領、副大統領)の写真付きだ

大統領を選ぶ投票用紙。候補者(大統領、副大統領)の写真付きだ

投票箱。ケニアの総選挙では、大統領のほか、上下両院議員、郡知事、郡議会議員も選ぶ

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